シニア世代に支持される旅の予約サイト「ゆこゆこ」では、デジタルとアナログのハイブリッド型のブランド体験を構築し、ロイヤルティマーケティングを実践しようとしている。そのサポートをしているのがチーターデジタルだ。レッドオーシャン市場のなかで、選ばれるブランドになるための戦略とは。

(左)チーターデジタル
日本法人副社長 兼 CMO
加藤希尊氏
WPPグループ、セールスフォース・ドットコムを経て2019年11月より現職。2014年にマーケターのネットワークである「CMO X」を設立。
(右)ゆこゆこホールディングス
マーケティング部 部長
小堺秀真氏
テレビ番組制作会社を経て、IT業界に転身。サイバード、楽天で経験を積み2017年6月にゆこゆこホールディングスに入社。
一人ひとりに寄り添う体験で かかりつけ医のような存在を目指す
加藤:温泉旅館・宿・ホテルの予約サイト「ゆこゆこ」を運営する、ゆこゆこホールディングスさんは、顧客属性に特徴がありますね。
小堺:「ゆこゆこ」は800万弱の会員を抱えており、その中心層は60代以上のシニア。年代的な特性もあって、以前から新聞広告やカタログを見て、電話で予約いただくケースが圧倒的に多いです。しかしシニアのお客さまのネット利用も増えるなか、2016年頃から紙とネットのハイブリッド型のマーケティングにも注力するように。現在は全体の4割強をネット経由の予約が占めるようになりました。
加藤:マーケティング活動において重視していることは何ですか。
小堺:嗜好性はもちろん、メディア接触行動など、シニア世代にはひとくくりにできない多様性があります。そこで、いかに一人ひとりのお客さまを解像度高く、理解できるかに取り組んでいます。まずは、お客さまを理解するためのデータ基盤が必要と考え、それまで統合されていなかった電話で予約されたお客さま、ネット経由で申し込みのお客さまのデータを統合。違うチャネルから申し込まれても、一人の顧客として理解できる体制が整いました。
加藤:「ゆこゆこ」は、日本最大級のダイレクトメール広告賞である「全日本DM大賞」でパーソナライズドDMにて、銀賞を受賞されました。ネットで閲覧した宿情報をもとに、一人ひとりに適したご案内はがきを送付するという本施策は、単に入口部分のデータの統合だけでなく、マーケティング施策の部分でもデジタルとアナログのハイブリッド型を実現しています。
小堺:私は2017年に入社したのですが、それ以前はECビジネスに携わっていました。「ゆこゆこ」に入社した動機は、デジ・アナ融合のマーケティングに挑戦してみたいと思ったから。データ統合についてはゴールが見えてきたので、次はマーケティングの打ち手部分でハイブリッド型の実現に挑戦したいと考えているところです。最終的には、紙のカタログでもパーソナライゼーションが実現できたらと構想しています。
加藤:小堺さんと...