以前は広報部門の領域と考えられていたPR領域。なぜ、マーケティング部をはじめとする多くの部門が、PRの力を求めているのか。長くPR領域に携わる、ビルコム代表取締役の太田滋氏が解説する。
社内縦割りのPR構造を打破 統合したプランニングが必要に
マーケティング部門が広告だけでなく、PRも活用する環境になってきた背景には、商品のスペックだけで競合他社との差別化を図ることが難しくなったコモディティ化があります。これまでにない付加価値をつくることで、既存のカテゴリーとは異なる軸で新たな市場をつくることにマーケターの関心が移ってきたといえるでしょう。
また、私は第三者による“評判”が消費行動に与える影響が大きくなった点も、マーケティングにPRが活用される理由として挙げられると考えています。具体的に第三者の評判とは、報道の記事や口コミの創出などが該当します。広告に関しても、口コミや話題化を狙っての出稿が増加しています。
SDGsに対する関心が高まっているように、ブランド選択の理由に、製品の情報だけでなく企業の社会貢献活動や思想への共感といった、コーポレートに対する“評判”がかかわってくるようになったことも、理由のひとつでしょう。
広告だけで完結するマーケティング...
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