『宣伝会議』編集部では今年の「宣伝会議賞」のイメージキャラクターのYOASOBIにインタビューを行いました。小説のストーリーがもとになって生まれる彼らの楽曲はなぜ多くの人々に共感されるのでしょうか。そのヒントを探るべく、2人の「言葉」に対する想いを聞きました。
「共感」の原点は、「自分起点の感情」かもしれない。
──小説から曲をつくりあげる、というYOASOBIのスタイルは、創作活動において「言葉」と向き合う場面が多いと思います。「言葉」のもつ力についてどう考えていますか。
Ayase:僕は作詞を担当していますが、「言葉選び」の際に考えていることは、「場面」と「どう伝わってほしいか」を想像することです。「あの場面なら」、「あの言葉なら」というように、絶えず伝えたい思いが伝わる「言葉」の選択を行っているようなイメージです。
「言葉」は、言い回しひとつで感じ方が変わりますよね。句読点の位置だったり、あえて遠回しに伝えてみたり。いろいろな表現の方法があって、少しの違いでさまざまな顔に変化するところに、「言葉」ならではの力を感じています。
ikura:私は紡がれた言葉を歌う立場ですが、最近いろいろな方々から「どんな気持ちで歌っているのか?」と聞かれる機会が多くあるんです。「歌う」ことや「言葉」について自分はどう考えているのか、と見つめ直す機会になっているなと思います。
そこで大切にしていることが2つあるのですが、ひとつは純粋に、Ayaseさんが書いた曲の「音」を聞いて、最初に抱いた感情のままに歌うこと。もうひとつは、原作小説の主人公の気持ちになることです。YOASOBIの楽曲はすべて原作の物語をもとにつくられているので、まずは...
あと60%