電通の権すよん氏と岩田泰河氏は2021年6月、『ウェブ電通報』でジェンダーへの意識を対談形式で発信する連載『話そうよ、ジェンダーのこと』を開始した。受け手への想像力を常に働かせることが必要な話題を発信する際に二人は、何を意識しているのだろうか。
「ジェンダー」について話すのは専門家じゃないとダメですか?
世の中で「ジェンダー」について議論されることが増えてきました。しかし、ジェンダー問題について意見を持っていたり、主張している人は限られているように感じます。
私たちはジェンダー問題の専門家ではありません。でも、ジェンダーについてモヤモヤすることはあります。むしろ専門家ではないからこそ、そのような気持ちを抱くこともあるのではないでしょうか?
モヤモヤした気持ちを持っていても、「叩かれたくないから」という理由で自分が感じる疑問にフタをしてしまったり、考えること自体をやめてしまう人もいると思います。
「ジェンダー」についての価値観は一人ひとり違うので、「私の考え方は間違っているかもしれない」という気持ちをもってしまい、言葉にしない人がいても理解できます。
お茶しながら話したい、ジェンダーのこと
ジェンダーの話に「こわい」イメージを持つ人もいると思います。それはなぜなのでしょうか。
例えば、Aという主張をする人、Bという主張をする人、両者が対立し、批判しあっているのを見ると、その議論に参加しにくいと感じる人もいるでしょう。「自分は知識がないから」「関係ないから」という理由で傍観する。いわゆる「ファイトリングに上がりたくない」という気持ちになるのかもしれません。私たちもそう感じることがあります。
でも、ジェンダーの話は本来ならみんなに関係のあること。みんなで話し合わないと人々の意識は変わらないテーマであるはずです。
だから私たちはもっとたくさんの人と、いろいろな意見や視点を取り入れながら話し合いたいと考えました。ただし、堅苦しくもなく、ファイトリング上のバトルでもない形で。イメージとしては、「まあまあ、お茶でもしながらのんびり話してみようよ」みたいなノリです(実際、私たちもお茶しながら二人で話しています)。
「ジェンダーのこと、もっとみんなで話してもいいんじゃない?」
そこに私たちの課題感があり、これを実現すべく、権と岩田、二人で「Gender Creative Unit」という名前で活動を始めました。