全米小売業界が年末商戦を予測「前年比3~4%増で最大145兆円」
11月の第4木曜日の感謝祭が終われば、アメリカは本格的な年末商戦へ突入する。National Retail Federation(全米小売業協会)は、2023年米年末商戦の総支出額を前年対比3~4%増の9573億ドルから9666億ドル(143.6兆円~145兆円)と予測している。慣習では「ブラックフライデー・セール」は感謝祭の翌日から始まるものだが、ここ数年、11月初旬から前倒しで年末セールを始める企業が増えている。
米国広告マーケティング事情
インフルエンサー・マーケティング会社CreatorIQが8月に発表した調査報告によると、SNSで平均エンゲージメント率が最も高いのはTikTokの11.83%だった(以下YouTube:2.75%、Instagram:0.35%、Facebook・Twitter:0.01%)。そしてデジタルトレンド分析会社eMarketerは今年のTikTokの成長率は18.3%と、今後最も成長するSNSであると予測している。
今、TikTok上で最も熾烈な競争が起こっているのがスキンケア業界だ。ロレアル傘下のCeraVeは直接、消費者にネット販売する、創立15年のDTCブランド。ここ数年TikTokで実績を伸ばしている企業の1つだ。
CeraVeの戦略は、人気クリエイターに商品を紹介してもらうだけでなく、肌のケアについての知識を専門家に伝授してもらうことだ。TikTokフォロワー1億2,300万人強のメガ・インフルエンサー、チャーリー・ダメリオは、8〜9月に行われたスイープステイクス・キャンペーンに起用された4人のうちの1人。
ダメリオは現在Huluで放送中の番組に出演するカリスマ的な17歳の女性で、若者に絶大な影響力を持つ。他の3人は皮膚科の医者やスキンケアの専門家で、それぞれ数十万から数百万人のフォロワーを持っている。その中でも“ドクター・シェイ”こと皮膚科医師ムニーブ・シェイ氏は970万人がフォローするCeraVe公式パートナーで、商品の特性を説明する動画で人気がある。
同社グローバル・ゼネラルマネジャーのペネロープ・ジロード氏は「TikTokは若い人たちにスキンケアに関する経験と見識の拡散を後押ししてくれます」とファッション誌『NYLON』に語るなどTikTokの可能性を高く評価している。
1億2300万人フォロワーを持つメガ・インフルエンサー、チャーリー・ダメリオを筆頭に3人のスキンケア専門家・医師を起用したCeraVeのTikTokキャンペーン。TikTokは短時間に商品の特性を説明し、かつインパクトあるコミュニケーションが可能と多くのメディアが指摘する。
NY生まれの韓国系ブランドGlow Recipeも、TikTokで大人気の商品だ。今年春、100万人フォロワーを持つクリエイターがWatermelon Glow PHA+BHA Pore-Tight Tonerを肌に塗る実演動画を紹介している。
この動画にコラボする700万人強のフォロワーを...