あらゆる行動においてオンライン化が進んだいま、オフラインの価値が再認識されつつある。その接点を、企業はどのように活かすべきか。コールセンターに届く声をデータ化して課題解決を支援する、NTTマーケティングアクトの米林敏幸氏に、オフラインチャネルのDXについて話を聞いた。
リアルとデジタルの情報をフィードバックし合うことが重要
DXの本質は、単なるデジタル化ではなく、事業に変革をもたらすことです。そして、その変革の基軸となるのは、お客さまに対して、どのような価値を提供できるか。顧客のニーズが多様化する中で求められるのは、企業視点から顧客視点経営への変革。つまり、カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させるという目的達成のために、「手段としてのDX」と捉える必要があるでしょう。
CXを向上させるためには、オンラインとオフラインにまたがる一連の顧客行動に沿って、顧客接点全体での最適化を図る必要があります。オンとオフをつなぐ接点のひとつが、例えばコンタクトセンター。そこには事前にWeb検索で解決できなかったお客さまの課題や要望・期待が、感情も含めてダイレクトかつ大量に蓄積されている。しかしその貴重なご意見も音声のテキスト化や分析作業に高いハードルがあり、積極的な活用には至っていませんでした。
その...