ほっと落ち着く故郷の良さ 家族の温かさを伝えたい
兵庫県手延素麺協同組合は、揖保乃糸のテレビCM「やっぱり・かえろう」篇「やっぱり・ひとすじ」篇「やっぱり・はこいり」篇「やっぱり・いっしょ」篇の今期の放映を4月14日から順次開始している。
兵庫県は、日本三大そうめんのひとつ「播州手延そうめん」の生産地。なかでも「揖保乃糸(いぼのいと)」は全国的に親しまれているトップブランドだ。
兵庫県手延素麺協同組合・営業部企画課の天川亮氏は、このテレビCMを制作する際、「こんな時代だからこそほっと落ち着くふるさとの良さや、どれだけ離れても変わらない家族の温かさを伝えたい」という、自らも揖保乃糸生産者である井上猛理事長を中心とする制作チームの思いがあったと話す。
揖保乃糸が育まれた気候風土を感じてもらいたいと、撮影地は地元兵庫にこだわり、イメージキャラクターには撮影当時17歳のモデル・女優の八木莉可子さんを起用した。すでに新人女優の登竜門としても有名なポカリスエット(大塚製薬)のCMに抜擢され頭角をあらわしつつあった八木さんだが、みずみずしく清らかで、凛とした佇まいがそうめんのイメージにふさわしいこと、地元関西出身であること、なによりそうめんの日でもある7月7日が誕生日であることが起用の決め手になったという。
さらに音楽にも抜かりなかった。揖保乃糸といえば、「そうめんやっぱり揖保乃糸♪」というサウンドロゴがお馴染みだが、「印象的な音楽とともにそうめんが食べたくなるシーンを描きたかった」という天川氏らは、音楽をNHK「あまちゃん」や、大河ドラマ「いだてん」を担当した大友良英氏に依頼した。こうして、セリフもほとんどなく、歌詞や映像も全てを語らず「引き算」して何気ない日常をミニマムに仕上げた。
「決して多くを語らず、受け手に委ねる、行間の広さを意識しました。母と娘は名前年齢性格などまで非常に細かく設定してからストーリーを作り上げています。詳細をお話してしまうとイメージが固定されてしまうので言えませんが、あるなーこんな気持ち、と広い解釈で自分に重ねていただければ嬉しいです」(天川氏)。