第59回「宣伝会議賞」の応募が10月1日から始まります。今回はカウントダウン企画と題し、前回の「宣伝会議賞」でグランプリ、コピーゴールドをダブルで受賞した田中貴弘さんに話を聞きました。前代未聞のダブル受賞の裏にあったエピソードとは。
20年目の応募 これでダメならやめようと思った
──「宣伝会議賞」に応募したきっかけは?
私は普段からコピーライターとして働いています。「宣伝会議賞」の存在を知ったのは、まだ駆け出しの頃の20年前。きっかけは当時、指導を受けていた恩師に応募を勧められたことでした。
初めてチャレンジしたときの応募作品数は60本程度。その頃の「宣伝会議賞」の応募総数は、まだ5万本くらいだった記憶があります。それが今や応募総数が60万超なんて…。こんなたくさんの作品の中から選出いただいたので20年間、毎年欠かさず応募を続けてきてよかったと心から思っています。
──なぜ20年間、応募を続けられたのでしょうか。モチベーションの源泉は?
私にとって「宣伝会議賞」は必ず獲りたい賞だったことが、継続して応募する大きなモチベーションになっていました。とは言え、20年も続けていると、やはりやめようと思ったこともあります。実は5年前の第53回「宣伝会議賞」でファイナリストに選出されたことがあり、当時は、もうこれ以上の成績を残すことはできないのではないかと、少しモチベーションが下がったことがありました。その後は一次審査通過作品も増えず、“頭打ち”の状況になってしまいましたね。
そんなときに、第53回のファイナリスト仲間だった林次郎さんが第55回「宣伝会議賞」グランプリを受賞されたのを見て、自分もまだ頑張れるのではないかと考えを改めました。身近な人から刺激を受け、応募当初から掲げていた「いつか必ずグランプリを」という...