広告マーケティングの専門メディア

           

米国広告マーケティング事情

『チキンサンドイッチ戦争』が再燃!? ファストフード各社が続々とプロモーションを実施

松本泰輔

2019年8月、ルイジアナ州のファストフードチェーン、ポパイズ・ルイジアナ・キッチン(以下ポパイズ)が発売したチキンサンドイッチは、カリッと揚がったチキンの食感と南部特有のスパイシーなソースが人気を呼び、またたく間に大ヒット商品となった。そして競合大手のチックフィレイやKFCも自社ブランドのチキン商品を強化するなど、空前の「チキンサンドイッチ戦争」に発展。

2020年、新型コロナウイルス感染が拡大すると、デリバリーを主体にチキンサンドの売上は伸び続けた。そして「営業規制が解かれ人々が外食に戻ってくるこの夏、チキンサンドイッチ戦争が再燃する」と各メディアは予測する。

マクドナルド、3種類のチキンサンドイッチを発売 一斉販売からうかがえる、企業の本気度

データ調査会社Edison Trendsが10万件以上を対象に行った調査によると、昨年アプリ経由で購入されたチキンサンドイッチのシェアは、昨年12月末時点でトップがチックフィレイ(45%)、2位以下はポパイズ(17%)、マクドナルド(16%)、ウエンディーズ(7%)と続く。ポパイズの成功を追ってウエンディーズやKFCなどがチキン戦争に参入するのを静観していたマクドナルドは、今年2月クリスピー、スパイシー、デラックスと3種類のチキンサンドイッチを発売。

同社、上級幹部のリンダ・ヴァンゴーセン氏は「当社は顧客の声をしっかりと聞いた結果、より多くのチキン商品を求めていることがわかりました。一般の方から熱心な方まで、すべてのチキンファンが新メニューを気に入り、何度も店に帰ってきてくれると確信しています」と声明文を発表した。一度に3種類もの新商品をローンチする異例の状況に、マクドナルドの本気度がうかがえる。

(1)マクドナルド

チキンサンドイッチ戦争を静観していたマクドナルドが、満を持して2月に発売した新商品。スパイシー、クリスピー、デラックスの3種類でチキンサンド市場シェア奪還を狙う。

ポパイズ、マクドナルドの客を狙うプロモーション 取得したドメインは約50個に

マクドナルドは新商品発売の際にチキンをテーマにした販促品(パーカー、レコードなど)を販売する特設サイトを開設し、新商品デビューを盛り上げるプロモーションを展開した。ところが、そのURLはChickenのスペルを簡略化したもの(CHKNDrop.com)で、タイプミスを誘発しやすいものだった。

そこでポパイズは、chickendrop.com,chikndrop.com,chknddrop.comなど、あらゆるスペルミスを想定した約50個のドメインを取得。そしてマクドナルドの客が間違ってそれらのURLをタイプすると、先着500名にポパイズの...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

米国広告マーケティング事情の記事一覧

米国広告マーケティング事情の記事一覧をみる

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する