第59回スーパーボウルのCMは史上最高額 30秒で12.4億円のCMのラインアップは?
第59回スーパーボウル(以下、SB)の放映権を持つFOXは、30秒700万ドル(10.85億円)で2024年前半にCMの権利販売を開始した。予想以上の売れ行きに、最後の約10枠は史上初の800万ドル(12.4億円)の大台を突破。「広告業界のスーパーボウル」も熱戦が繰り広げられた。
米国広告マーケティング事情
2019年8月、ルイジアナ州のファストフードチェーン、ポパイズ・ルイジアナ・キッチン(以下ポパイズ)が発売したチキンサンドイッチは、カリッと揚がったチキンの食感と南部特有のスパイシーなソースが人気を呼び、またたく間に大ヒット商品となった。そして競合大手のチックフィレイやKFCも自社ブランドのチキン商品を強化するなど、空前の「チキンサンドイッチ戦争」に発展。
2020年、新型コロナウイルス感染が拡大すると、デリバリーを主体にチキンサンドの売上は伸び続けた。そして「営業規制が解かれ人々が外食に戻ってくるこの夏、チキンサンドイッチ戦争が再燃する」と各メディアは予測する。
データ調査会社Edison Trendsが10万件以上を対象に行った調査によると、昨年アプリ経由で購入されたチキンサンドイッチのシェアは、昨年12月末時点でトップがチックフィレイ(45%)、2位以下はポパイズ(17%)、マクドナルド(16%)、ウエンディーズ(7%)と続く。ポパイズの成功を追ってウエンディーズやKFCなどがチキン戦争に参入するのを静観していたマクドナルドは、今年2月クリスピー、スパイシー、デラックスと3種類のチキンサンドイッチを発売。
同社、上級幹部のリンダ・ヴァンゴーセン氏は「当社は顧客の声をしっかりと聞いた結果、より多くのチキン商品を求めていることがわかりました。一般の方から熱心な方まで、すべてのチキンファンが新メニューを気に入り、何度も店に帰ってきてくれると確信しています」と声明文を発表した。一度に3種類もの新商品をローンチする異例の状況に、マクドナルドの本気度がうかがえる。
チキンサンドイッチ戦争を静観していたマクドナルドが、満を持して2月に発売した新商品。スパイシー、クリスピー、デラックスの3種類でチキンサンド市場シェア奪還を狙う。
マクドナルドは新商品発売の際にチキンをテーマにした販促品(パーカー、レコードなど)を販売する特設サイトを開設し、新商品デビューを盛り上げるプロモーションを展開した。ところが、そのURLはChickenのスペルを簡略化したもの(CHKNDrop.com)で、タイプミスを誘発しやすいものだった。
そこでポパイズは、chickendrop.com,chikndrop.com,chknddrop.comなど、あらゆるスペルミスを想定した約50個のドメインを取得。そしてマクドナルドの客が間違ってそれらのURLをタイプすると、先着500名にポパイズの...