サンリオ CMO マーケティング本部長の木村真琴氏をリーダーとする研究会「CMO X WORLD」にはVAIO、森永乳業、ヤマハのマーケターが参加。日本企業の海外進出におけるマーケティング課題解決に向けた議論を行う。

オンラインでのミーティングの様子。参加メンバーは、サンリオ・木村真琴氏、VAIO・花里隆志氏、森永乳業・寺田文明氏、ヤマハ・大村寛子氏。
日本企業のマーケターは世界でどう戦うべきか?
日本でもグローバル企業のマーケターによる考え方や手法の発信は増えている。しかし、同じ世界で戦うマーケティング戦略と言え、グローバル企業のマーケティングと日本発の企業が世界で戦うためのそれには違いがあるのではないか。そして、その知見は決して十分にあるとは言えないのではないか。そんな問題意識から生まれた研究会が、サンリオの木村真琴氏をリーダーとする研究会「CMO X WORLD」だ。
課題意識に賛同したメンバーは3名。VAIOの花里隆志氏、森永乳業の寺田文明氏、ヤマハの大村寛子氏の合計4名で4月から研究会がスタートしている。初回の研究会でリーダーの木村氏から提示されたテーマは、以下の4つ。そのテーマとは「各社の海外市場進出の取り組み」「各社の取り組みから抽出されるグローバル進出における課題と成功のポイント」「アジア、アメリカ、欧州などリージョン、国別対応の共通点と違い」「日本企業ならではの悩み・課題─他国グローバル企業との違いはあるか?」だ。
うまくいくパートナーはブランドに対する熱量のある企業
議論の口火を切ったのは木村氏だ。サンリオでは昨年4月、グローバルマーケティング部が発足し、さらに昨年10月にはエイベックスアジアと合弁でシンガポールに東南アジア地域におけるキャラクターのライセンスビジネスを担う新会社を設立。木村氏は新設部門の担当、さらにシンガポールに設立された新会社の役員も務めている。
「『ハローキティ』をはじめ、日本では各キャラクターの背後にある世界観まで理解されているが、海外市場においては、デザインとしての理解までしか認知が進んでいない。同じキャラクターであっても日本と海外では、消費者の認識に大きな違いがある」との課題を提示した。
VAIOの花里氏からは、ブラジル市場進出の取り組みが紹介された。ソニーからVAIOの事業を移管する新会社が設立をされて以降、海外展開は一度中止していたが、グローバル市場においても非常にポテンシャルのあるブランドという認識があったという。そんな折、2014年にブラジルのPCメーカーの社長と出会う機会があり、彼らの熱烈なオファーがあってVAIOが...