働き方、暮らし方が多様化し、従来の価値観だけではとらえきれない消費行動が生まれている。ローソンの大谷弘子氏がリーダーとなる「CMO X LIFESTYLE」の研究会では、衣食住を代表する企業のマーケターとともに「これからのライフスタイル、購買行動」について考察を重ねていく。

オンラインでのミーティングの様子。参加者はローソン・大谷弘子氏、蔦屋書店・久保田佳也氏、グラニフ・村田昭彦氏、イデアインターナショナル・星野智則氏。
企業・人の成長のあり方を考える これまでにない提案を
コモディティ化が進む時代においてはプロダクト自体の機能性だけでなく、そのモノがあることで実現するライフスタイルを提案することが必要とされている⋯。そんな発想から2000年頃までは「ライフスタイル提案型ブランド」「ライフスタイル提案型企業」を標榜したマーケティング戦略が多く見られた。しかし人々の価値観、生活様式がますます多様化したことを受けてなのか、昨今は「ライフスタイル提案型」を標榜するブランドは減っている印象を受ける。
ローソンの大谷弘子氏がリーダーとなる「CMO X LIFESTYLE」の分科研究会は「成長力が生み出しづらい成熟した社会環境において、人々(私たちのお客さま)のライフスタイルの変化を予測し、これまでにない企業・人の成長のあり方を考え、提言したい」(大谷氏)との考えのもと、蔦屋書店、グラニフ、イデアインターナショナルの3社のマネージメント/マーケティング担当者が集まった。
1回目のディスカッションでは事前に大谷氏から提示されたシートに基づき、各自が「①今、起きている&今後、比較的短期間に起きそうな変化」と「②その本質・真因」。「③変わらないこと・もの」と「④その本質・真因」について自身の考えを発表した。
自分自身を表現するスタイルとしての食
「①今、起きている&今後、比較的短期間に起きそうな変化」について大谷氏は、マーケターとして長く食の領域に携わってきた経験から「料理をしなくなった」ことや「味わう食事と時短重視の補給的食事を使い分ける」といった現象をあげた。
この問題提起についてホットプレートなどが人気の「BRUNO」シリーズを展開するイデアインターナショナルの星野氏は「補給的食事でないものについては、“映える”といった要素も重視されるようになっている」とコメント。実際、「BRUNO」のキッチングッズはそのデザイン性の高さから、ホームパーティなどで“見せる”家電として人気を博している。
また蔦屋書店の久保田氏は前職でアパレル領域に長く携わってきた経験から...