コロナがもたらす「家計不安」 続く節約志向に、企業がとるべき対応とは
新型コロナウイルス感染拡大から1年超、生活者の心理はどのように移り変わってきたのだろうか。2020年3月下旬から週次で定点調査を行ってきたインテージのデータを基に、同社生活者研究センター長、田中宏昌氏が解説する。
「不安」と消費者 生活、健康、将来の不安に寄り添う
コロナ禍で大きく変わった働き方。1980年代からビジネスパーソンに向けて発信し続けてきた月刊ビジネス誌『THE21』編集長が、ミドル世代のビジネスパーソンが抱える悩みと、その解消のために企業に期待されることについて分析する。
『THE21』は1984年に創刊されたビジネス誌で、時代の流れとともに主な内容や主要読者の年齢層が変化してきました。2000年代には若手のビジネスパーソンに向けて仕事のスキルやノウハウを伝えるビジネススキル誌としてのスタイルが確立。2010年代以降は読者の年齢層が30代~40代になり、ワーク・ライフ・バランスや健康などプライベートを意識した内容も組み込むようになりました。
そして2020年からは主な読者層が「50歳前後のミドルリーダー層」となり、多様化する働き方に戸惑ったり、キャリアに迷ったりする人の悩みに寄り添う「『働く人』の一番身近なビジネス誌」を標榜しています。こうした雑誌の内容の変遷に働き方の変化が表れているように思います。
いまビジネスパーソンは、先の見えない社会に対する不安だけでなく、自分自身のキャリアをどう設計し、どのように働き、どのように生きていけばいいかという悩みも抱えています。
この傾向はコロナ前からありましたが、コロナショックで働き方が急速に変化したことで、さらに危機感は強くなっていると思います。急速に普及したテレワークに加え、週休3日という新しいワークスタイルや、副業を勧める企業も増えています。AIの発達やDXによって人々の生活も変わっています。そうした中で、「これから先、どう働き、生きていくか」について、選択肢が広がったからこそ、その分悩みもさらに深くなったようです。
それを実感したのが、この1年で最も売れ行き・反響共に良かった号が2021年3月号「50歳から始めたいこと、やめること」だったことです。
ひと昔前なら、会社員の「50歳」と言えば、キャリアのゴールが見えてくる歳でした。しかし、今は「70代でも働く時代」と言われています。60歳が定年だった時代の50歳とは違い、まだまだ「この先」を考えなければならない世代なのです。この世代は「会社のために」尽くしてきたため、キャリアチェンジに自信がない人、新たなスキルの習得や学び直しの必要性を感じている人が...