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広告ビジネスを変える!? ベンチャー企業の挑戦

企業が保険料を肩代わり フリーインシュアランスモデル

庄野裕介氏(Warrantee)

家電の保証書をなくした経験から保証書管理アプリを企画

今年4月、スポンサー企業が保険料を支払うことで、ユーザーが無料で保険に加入することができるビジネスモデル「フリーインシュアランス」の事業戦略発表を行ったWarrantee(ワランティ)。

「フリーインシュアランス」とは、これまでユーザーが負担していた損害保険、医療保険などの保険料を企業がスポンサーとなって負担し、代わりにユーザーデータを活用できるようにするビジネスモデルだ。

2013年創業のワランティの事業は、そもそもは家電などの保証書を電子化して保管できる一般ユーザー向けのアプリ「Warrantee」の提供からスタートした。事業開発のきっかけについて、同社・代表取締役の庄野裕介氏はこう語る。

「大学時代に初めて一人暮らしをし、家電が壊れてしまったが、保証書が見つからず不自由な思いをしたことがきっかけで思いついたサービス。大学在学時に、シリコンバレーで投資家の前でアイデアを発表する機会を得、そこで評価を受けたことで事業化に自信をつけた」(庄野氏)。

その後、アプリを利用するユーザーから保証書の電子化だけでなく、メーカー保証期限を過ぎた後の保険に対するニーズも高かったことから、2017年より新サービス「Warrantee Now」をスタート。生活家電やデジタル家電に24時間単位で保険をかけられるオンデマンド型保険アプリで、この開発・提供に際して同年の7月に東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、三井物産インシュアランスの4社との連携を発表している。

適切なタイミングでリーチ ブランドスイッチにも期待

一般ユーザーは「Warrantee」を無料で利用することが可能だが、その背後にあるのがスポンサー企業の存在だ。ユーザーが所有する家電製品などのモノの情報をリストアップし「Warrantee」に登録すると、アプリ内にあるユーザーが所有する製品データ等の個人情報が、同意を得てスポンサー企業へ提供される代わりに、ユーザーは損害保険が無料になるという仕組みである。

スポンサーとなり、ユーザーのデータを取得できる企業にとっては、どのような活用メリットがあるのだろうか。

例えば、モノの損害保険における、フリーインシュアランスモデルを活用した取り組みに、エアコンメーカーの事例がある。「メーカーからは現在、エアコンを所有しているユーザーのデータを取得したいという相談があった。データを取得できれば、買い替えタイミングでの適切なリコメンドが可能だから」と庄野氏。

企業からのオーダーを受け、庄野氏らは効率的により多くのエアコンオーナーにアプローチできる方法を模索。そこで思いついたのが...

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