オウンドメディアの秀逸事例
ここでは、メディアを運営し企画の考案も行っている藁品氏、岡田氏の両名が参考にしているという5つのメディアを紹介します。
☑クリエイティブ・ディレクションとは、創造性に満ちた、独自性ある、判断のこと。
☑広告会社のクリエイターにとってのクリエイティブ・ディレクションとは、プレゼンテーション。
☑クリエイティブ・ディレクションは、広告以外にも必要。活動領域を選ばないスキル。
広告会社を経て、ロッテの仕事についてから数年が経過しました。その間、業務の合間や講演会、セミナー、取材などでほぼ毎回と言っていいほど受けるのが、上記の広告会社と事業会社で違いはあるかという質問です。
そこで今回は、この質問を3つの要素に因数分解して、自分なりの考えを文章化していこうと思います。
まずは両者に共通する部分から考えていきましょう。業務プロセスやスタンスには違いがありますが、「クリエイティブな判断」という意味では、ほぼ同じだと考えています。「クリエイティブな判断」とは何か?それについては後述します。
2つ目が広告会社・広告制作側におけるクリエイティブ・ディレクション(以下C・Dと表記)について。事業会社を経験したから、その立場を離れたから、いま考えること。プレゼンテーションなど、対クライアントにおけるC・Dの在り方にフォーカスして書いていきます。
そして3つ目は事業会社の宣伝担当だからこそ享受していただきたいことを中心に。この文章のすべては、今までの業務を通して学んだもの、諸先輩方や同僚からの示唆、様々な経験や事例などを自分の頭の中で編集・再構築したものになります。あくまで解答ではなく、回答です。取捨選択していただき気に入った部分だけ、頭の隅にインプットしていただければ幸いです。
また本企画の趣旨である「宣伝担当の初心者向け」「明日から実務に生かせる」を心がけ、Tipsと短めの解説という構成をとりました。
C・Dとは既成のルールに則したり、誰かの受け売りではないもの。つまり自分の頭脳と自分の意志で判断を下すことです。これがすなわち、前述の「クリエイティブな判断」のこと。もちろん、宣伝担当の初心者にも大切なスキルです。なぜならクリエイティブな発想を必要としない業務などひとつもないから。以下、C・Dに必要なコツや秘訣をいくつか記していきます
①よいC・Dに必要なただひとつの条件。それは、なぜ?どうして?とひたすら問い続ける習慣
課題解決のために、本質は何か?そもそも課題は正しいか?提案性は?新しい?魅力的?他の可能性は?自分自身やチームの仮説に、問いを投げ掛け続ける。その質と量こそが、最終的なC・Dの鮮やかさに見事に比例します。ルールもゴールもありません。己との戦いです。問いかけをやめた時がゲームセット。その判断は、本当にクリエイティブですか?
②成功体験がC・Dを研ぎ澄ます
よく失敗から学べと言われますが、ことC・Dのスキルに磨きをかけるという意味では、成功体験がその何百倍も効果的です。成功は自信につながります。自信はシャープな判断力を生み出します。だから成功し続ける。そのための極意をかのトーマス・エジソンが教えてくれています。「私は失敗したことがない。1万通りの、うまく行かない手段を見つけることに成功した」と。
③C・Dとは“発見”する作業
マーケティングとは、目的を達成するために最短ルートを行くための戦略を考える仕事と言えます。しかしC・Dはその一部を担いながら、まったく違うアプローチが求められるもの。C・Dとは頭で考えたり、構築することではなく、発見する作業だからです。この時代の、この社会のどこかに潜んでいる問題、課題、ヒントを探し出す。それは迷子、道草、途中下車の連続ですが、乗り換え案内アプリは使用禁止の領域です。
④いざベストのC・Dを下すために
タイガー・ウッズさんに、コピーを褒められたことがあります。要約すると「一流のゴルファーは、気象状況、地形、物理の法則、心理、体調などを判断しながらアドレスに入る。最高のゴルファーは、すべてを忘れて、ただショットを放つ」。これはそのままC・Dの仕事に通じること。大量のインプット、際限のない問いかけは必要不可欠ですが、消化不良を起こせば自由な発想の足枷となってしまいます。決断の瞬間は明鏡止水の心境で。
⑤そしてC・Dとは、決・断・力
決断力を分解すると「決める力+断ちきる力」となります。実はC・Dとは、努力の結晶とも言える無数のアイデアを断ちきる行為です。つまり何をやるかではなく、何をやらないかを決めること。いままで紹介してきた創造力・問いかけ力・実現力・発見力・集中力を総動員してください。最後に残った、ただひとつに情熱を掛け合わせる。それが最高のC・Dのはずです。
すべてのC・Dはプレゼンテーション。こう言っても過言ではありません。それは皆さんの業務が常にクライアントと共にあるからです。そもそもプレゼンテーションとはプレゼントを贈呈するセレモニーのこと。よいC・Dは、よいプレゼントを贈ることとイコールです。
①プレゼンテーションは誰のもの?
プレゼンテーションを提案側のものだと潜在的に思っていませんか。現にビジネス本やネット情報、そのほとんどが仕掛ける側のノウハウを語っています。もちろん選ぶ側のものであることは自明です。自分が話したい内容を、話したい順に話して説得する。プレゼンの緊張感のなせる技です。選びやすい内容を選んでもらいやすく...