新型コロナ上陸から1年 急速に進化するオンラインイベント
コロナ禍の日常がニューノーマルとなって、はや1年が経過した。日本イベント産業振興協会(JACE)はこの間にイベント業界が直面した出来事と注目すべき変化・潮流をテーマとしてオンラインセミナー「イベント業界の今、これからの未来予測」を開催。広告会社の最前線で働く4人のプロデューサー、プランナーがパネリストとして登壇した。数百人のイベント業界関係者が視聴したことから、関心が高いテーマだったことが伺えるが、その中で報告された変化を俯瞰しながら今後起こりうるイベントの未来を読み解いてみたい。
2020年2月に起こったダイヤモンド・プリンセス号の集団感染を皮切りに、国内の新型コロナウイルス感染は急拡大。3月24日の東京2020大会の1年延期決定まではあっという間だった。それと前後してさまざまなイベントが延期・中止になり始め、イベント業界各社はキャンセルポリシーや感染予防のガイドラインの策定に追われていく。その結果、2020年度第1四半期(4~6月)のイベント産業規模は前年比で50%に満たない状況(JACE調べ)に陥ったと推定される。
感染症のパンデミックを経験したことがない私たちのような現代人が最初に考えたのは、リアルイベントの代わりにオンラインイベントを開催すること。これまでもデジタル型のイベントは存在していたが、デジタルにかかわる進化がすごい勢いで始まったわけである。米国のオースティンで開催予定の「SXSW 2020」が中止となり、オンラインで草の根イベントが多数実施されたのが3月のこと。その半年後の10月には...