2月7日の日曜夜、米国の大手放送局CBSで放映された「第55回スーパーボウル」。NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の優勝決定戦である同大会は、アメリカ最大のスポーツイベントだ。その注目度の高さから、放送中のCM枠は30秒で約6億円と、世界一高額であることが知られている。今回は編集部が注目する5つのクリエイティブを紹介する。

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家を買う時は「たぶん」ではなく「確実」な判断が必要
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アメリカCBS局によると、今年の視聴者数は約9160万人と過去最低ではあるものの、NFLの試合としては最も多くライブ配信され、10億分を超えるストリーミング時間に達したという。例年、多くのメディアから注目を集めるスーパーボウルのテレビCM。コロナ禍における今年は、財政難などを理由に大企業が出稿を控える一方、IT企業が初出稿するなど、新たな動きを見せた。
放映中の出稿を控えたのは、ぺプシ、コカ・コーラ、アウディなどの常連企業。アンハイザー・ブッシュ・インベブ社は「バドライト」などのCMは放映しつつも、主力の「バドワイザー」ブランドでの出稿を37年ぶりに見送った。例年スーパーボウルの広告に費やしていた何百万ドルもの資金を、コロナウイルスワクチンの啓発、寄付活動、今後の広告活動に充てるとしている。
そんな2021年、大衆紙『USA TODAY』の広告格付サイト『アドメーター(AD METER)』の人気投票上位に選ばれたのは、住宅ローン大手クイッケン・ローンズが提供するフルオンラインローンサービス「ロケットモーゲージ」によるCM2本だ。「Tracy Morgan、Dave Bautista & Liza Koshy」篇が1位、「Tracy Morgan & Joey Bosa」篇が2位。ひとつのブランドがツートップに選出されたのは、2007年以来の快挙だ。
CMでは、一家が内見に訪れ、妻が「この家を買う余裕あるのかしら」と聞くと「Pretty Sure(ほぼ確信)」と夫が返答する。そこに突如俳優トレイシーモーガンが現れ、Pretty Sureの状態で物事を判断することの危険性を、CGなどを用いてユーモラスに...