モバイルビッグデータで読み解く コロナ禍で人々の『移動』はどう変わった?
コロナ禍で、私たちが日々目にするようになった情報のひとつに、ターミナル駅など主要なエリアの人出に関するデータがある。携帯電話が広く普及し、そこから得られる位置情報によって人の“移動”を可視化することが可能になったからこそ受けられる恩恵だ。
新しい「消費」、新しい「商圏」
マスク常用による肌荒れや、オンライン会議で自分の顔を客観的に見ることが男女ともに増え、自宅で“自分磨き”に時間をかける人が増えている。加えて外出がままならない中、プロから受けていた美容サービスを自宅で自分で試してみようと考える人も増えている。こうした意識や行動の変化は、どのような市場を生み出しているのだろうか。美容機器専門メーカーであるヤーマン ブランド戦略本部の川崎布美子氏に話を聞いた。
(左)「mysé(ミーゼ)ヘッドスパリフト」、(中央)「メディリフト」、(右)「RF美顔器 フォトプラス」
コロナ禍でも拡大する「巣ごもり消費」。そのひとつが美容市場だ。美顔器や化粧品などを販売するヤーマンも、2021年4月期第2四半期(2020年5月1日〜10月31日)の売上高は前年同期比62.6%増と、好調な売上を維持している。
ヤーマンは訪日外国人からの人気が高く、コロナ禍によるインバウンド需要の落ち込みの影響はあったものの、巣ごもり消費は拡大。長年にわたり店頭販売だけではなく、通販、直販、海外部門など、幅広くチャネルを持っていたことが奏功したとブランド戦略本部の川崎氏は話す。
「これまでは店頭販売のボリュームが高かったのですが、2020年は年間を通して、ECサイトやテレビ通販が好調でした。また、リモートワーク導入などで自宅近くの店舗で購入するという傾向もみられました。」。
海外部門では、2016年にオープンした中国最大のECモール「T-mall」における「雅萌(ヤーマン)旗艦店」での販売が好調で、前年同期比で約143%と伸長した。コロナ禍前半は消費を抑えていた傾向にあったというが、11月11日の『独身の日』セールでは美顔器部門でトップの売上となり、「“リベンジ消費”の時期に重なった影響もあるのではないでしょうか」と分析する。
接客プラットフォームとして1対1のオンラインカウンセリングを開始。さらに、新たにPRの場としてInstagramのライブ配信を強化すべく、「ライブスタジオ」を社内に開設した。9月からは新たにライブコマースを開始した。
「中国ではKOL(キーオピニオンリーダー)を起用したライブコマースが好調です。日本国内でも今後、ライブコマースなど...