従来の放送だけでなく、デジタルを介した通信の領域にも広がるオーディオコンテンツ。消費者が、そのコンテンツに触れる機会が増える中で、企業にとってはどのような活用可能性があるのだろうか。スポティファイジャパンの藤井哲尚氏に話を聞く。
音声広告は目的を直接的に訴求できる
日々、人々はさまざまな広告に触れていますが、それらはほとんどが視覚から入ってくるものです。そのため、人は無意識に視覚から入ってくる情報の取捨選択をしています。視覚に訴求する広告は、その中でも、ターゲットに届く広告を打たなければいけません。
一方で音声の場合、人は一度に複数の音を聞き分けるのは難しいため、ラジオや音楽鑑賞のように、「ながら作業」をしながら聞いていたとしても、基本的に耳はひとつの音を聞いています。そのため、視覚とは違い、音声による広告は、取捨選択されるようなことは起こりづらく、認識率や広告理解度が高いことが特徴です。
また、このように聴覚を占有できることによって、強いブランドの体験を音声広告では提供することが可能です。もともと、テレビドラマや映画では、音は雰囲気やシーンをつくる上での重要な...