ブランドマーケティングにおける課題は当然、そのブランドが属する商品カテゴリーに影響を受けます。各ブランド固有の悩みもありつつ、特に大きなものが、その商品カテゴリー全体に共通する課題。そして、この「カテゴリー課題」を打ち破る戦略を企画できたマーケターこそが、競合他社との戦いを勝ち抜き、消費者とのエンゲージメントを獲得することが可能となります。
本特集では、日本を代表するトップブランドのマーケティング担当者にアンケートを実施。カテゴリー課題として感じていること、そしてその課題を打ち破るための戦略とアイデアを聞きました。
アースノーマット(1984年~)
アース製薬
商品の現在の状況:好調

▶対象顧客
日常的に手軽に蚊の対策をしたい人
▶ブランドコンセプト
スイッチひとつで蚊を落とす安定した効きめのプラグ式液体蚊とり。
▶マーケティング戦略の方針
部屋の中にいる蚊を退治するだけでなく、部屋の外の蚊を侵入させない効果もあることの理解促進を図る。
ブランドカテゴリーとカテゴリーが抱える課題
虫ケア用品(蚊用)
蚊に困っている消費者が、商品を正しく理解した上で自分に合った蚊とりを選んでいただけるようにすること。
課題解決のための取り組み
アースノーマットには「蚊を部屋に入らせない侵入予防効果」もあることの理解を促進するため、テレビCMだけでなく、Web広告やブランドサイト、店頭販促物など、一気通貫したプロモーションを実施している。
特に注力している施策
・販売チャネル戦略(既存チャネルへの対応)
・マス広告(商品プロモーションが主目的)
・販売促進
注目の消費トレンド
① 巣ごもり消費による需要性の変化
② エシカル消費の関心の高まり
③ EC化率の上昇

アース製薬
マーケティング総合企画本部
ブランドマーケティング部
シニアブランドマネージャー
渡辺 優一
アース製薬の研究部で約8年間、虫の生態を学びながら商品開発を担当。その後、園芸関連の商品企画を担当し、現職に至る。
SALONIA(2012年~)
I-ne
商品の現在の状況:好調

▶対象顧客
10~40代
▶ブランドコンセプト
BEAUTY is simple 続けられるキレイを。
▶マーケティング戦略の方針
コンセプトに沿って、シンプルだからこそ続けられ、効果実感につながるプロダクト・コンテンツを提供。
ブランドカテゴリーとカテゴリーが抱える課題
美容家電
美容家電は未だ使用者が限られており、購買の敷居が高いカテゴリであるため、新規顧客の創出が求められる。
課題解決のための取り組み
「美容家電=高い、面倒、続かない」の認識を変えるべく、初心者でもトライしやすい価格、本当に必要な機能だけに絞ったシンプルなデザイン、説明書を読まなくても直観的に操作が可能なUXを心掛けている。
特に注力している施策
・商品開発
・Web広告(ブランディングが主目的)
・オウンドメディアの活用など広告以外のコミュニケーション活動
注目の消費トレンド
① P2C
② サステナブル
③ パルス消費

I-ne
マーケティング部
ブランドマネージャー
田中 瑞樹
2016年入社。ECサイト運営・デジタルマーケティングに従事した後、マーケティング部にて複数ブランドをマネジメント。