安易なコロナ共生論ではなく大胆な構造改革を
プロモーション活動は、再発令された緊急事態宣言で、またまた苦しい状況に陥った。本来であれば、春のプロモーションの製作業務が佳境に入る頃だが、多くの業務に中止号令が掛かってしまった。年始恒例の業界のトピック行事も次々と消滅してしまっている。そんな中で業界のマネジメント層では、「K字回復」が話題だ。
業績回復はもっぱらV字回復が定番だったが、「K字回復」はKの字のように上昇していく業界と下降していく業界の両極端になるという説だ。安易に構えていたコロナとの共生論はもう通用せず、時代の変化を見越した大胆な構造改革がない業界は、下降を辿るということのようだ。
広告とは一線を画すプロモーション 「逆境での強み」はどこへ
プロモーション業界はこれまで、不況時に強いと言われてきた。それは実購買とは一線を画し、印象操作と言われることもあるような抽象的な広告活動とは異なり、購買の現場での「直接的な購買刺激」が期待されていたからだ。しかし近年はネット販売への強い期待から、リアルな店舗での販売対策が後退してしまった。そして、広告効果はその投入量ではなく、より購買に近い時点での広告接触が効果を高めると言われていたこともあり、とくに景気後退期はプロモーション・メディアへの根強い引きがあった。
だがマス広告離れが進み、ネット広告一辺倒とも言えるようになった今日、プロモーション・メディアへの期待もいつの間にか後退。逆境に強いと言われた...