海外からの年間旅行者数は9割減 訪日外国人ビジネスの今後の展開とは
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い入国制限措置がとられるなど、海外からの旅行客が見込めない状況が続いている日本。コロナ禍での海外の顧客に対するビジネスの現状を、日本貿易振興機構(ジェトロ)の古川祐氏が解説する。
アイデアでコロナ鎖国を乗り越える!
世界15カ国・地域に290店舗を展開するラーメン専門店「一風堂」。新型コロナウイルスの影響度合いやタイミングが地域によって異なるなか、一風堂ではどのように、各地の実情に合わせた営業活動を行っているのか。CHIKARANOMOTO GLOBAL HOLDINGSのDirectorとして、アジアエリアを統括する藤井是輔氏に話を聞いた。
一風堂のシンガポール店舗のひとつ「Raffles City店」。
力の源ホールディングスが運営するラーメン専門店「一風堂」は、「“Zuzutto”すする喜びを世界中に伝える」をテーマに、アジアを中心とした国外に約130店舗を展開している。
一風堂の海外店舗の運営や管理等を行うCHIKARANOMOTO GLOBAL HOLDINGSのDirectorで、アジアエリアの責任者である藤井是輔氏は、以前は月に1回程度、管轄する各国の店舗に足を運び現地の様子や味の品質などを確認していたが、コロナ禍で常駐するシンガポールから出国できない状態が続いていると話す。
「ブランドとして安定した高品質なおいしさを提供するため、現在はオンラインでのビデオ会議などで、食材の切り方や加工の仕方などを確認することもあります。また、一部現地に権利を委譲して、スピーディーな対応がとれるよう変更も行いました」と藤井氏。
国・地域によって感染状況が異なる中で、各国に常駐している日本人スタッフや現地のスタッフから状況を吸い上げ、集約した上で、日本の本社と連携し、現地の状況とグループ全体の状況を出し合って経営判断を行っている。
「コロナ対策の面では、やはり一番現地の状況がわかっているのはそこにいるスタッフなので、現地にジャッジを任せている部分が大きいです。感染者数、政策ポリシー、法律による強制力などにより、コロナ対策は各国で異なります。例えばシンガポールでは、一人ひとりにIDが付与されており、入店する際には...