この数十年で人々の可処分時間は大きく変化し、多様化が進んできたが、コロナ禍でその状況は加速した。本当に届けるべき相手にリーチするためには、今どのようにデータ活用を考えればよいのだろうか。購買情報を基点とした視聴データを分析する、CCCマーケティング TVデータ企画ユニット長の橋本直久氏に話を聞いた。
番組コンテンツを中心としてCMが溶け込んでいく世界
マスメディアであるテレビは、様々なデバイスやプラットフォームが動画コンテンツを提供し始めた結果、動画利用スタイルも多岐にわたり、いまや「セグメント・マスメディア」に変容していると考えます。そのセグメント内で瞬間最大のリーチを実現できるのが、テレビの最大の価値。しかし、そのセグメントの捉え方は、もっと進化させることができるはず。従来のデモグラフィック属性の情報だけで行うメディアプランニングからの脱却を目指す必要があると思っています。
私たちはいま、Tポイントの購買情報を基点に、その人がどのコンテンツや広告を見ていたかという視聴データを掛け合わせることで、効果的なCM出稿のプランニングを提案しています。例えば、衣料用洗剤は、35~49歳の主婦、いわゆるF2層をターゲットとすることが多いかと思います。しかしT会員の年間購買者74%の内訳を細分化すると...