原作の映像化
先日、ある漫画のドラマ化に際して、原作者の意向がドラマに反映されず、原作者が脚本の一部を制作するに至ったようです。著作権法上、漫画などのドラマ化に際しては、特に翻案権と同一性保持権が問題となり得ます。
宣伝担当者が知っておきたい 著作権なんでもQ&A
Q. 当社では、プロモーション動画の撮影の際、雰囲気作りのために、登場人物に人気キャラクターのぬいぐるみを抱かせる予定です。キャラクターの著作権者の承諾は必要でしょうか?
2020年の著作権法改正は、第24回でご紹介した「ダウンロード違法化の範囲拡大」のほかにも、いくつか改正項目があります。その1つに「写り込み」の範囲拡大があり、著作権者の承諾なく著作物を利用できる範囲が広がりました。実務的な影響も少なくないことから、今回は「写り込み」について考えます。
写り込みの典型例は、街で写真や動画を撮影した際に、背景にポスターが写っていた、流れていた音楽が録音されたなどというものです。2012年から、このような著作物の付随的な利用には、著作権者の承諾は不要とされていました(著作権法旧30条の2)。ただ、適用場面は「写真撮影、録音又は録画」やその利用に限られるなど、限定的でした。
他人の著作物を付随的に利用する場面は、「写真の撮影、録音又は録画」の他にも数多く存在します。今回の改正により、忠実な複製・伝達であれば、写真撮影、録音又は録画に限らず、映像・音を複製又は伝達する行為全般が対象に…