テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の続編が2021年1月2日に新春スペシャルとして放送される。『逃げ恥』をはじめ、数多くのドラマ・映画の脚本を手掛けてきた野木亜紀子氏は、現在の広告コミュニケーションをどのようにとらえているのだろうか。
ターニングポイントの連続の中数多くのヒット作が誕生
2021年1月2日に新春スペシャルとして続編の放送が予定されているテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』をはじめ、テレビドラマ『MIU404』、映画『図書館戦争』シリーズ、『罪の声』など、数多くの大ヒット映像作品の脚本を手掛けてきた野木亜紀子氏。
映画が好きで日本映画学校に進学した野木氏は卒業後、映像制作会社に就職。ドキュメンタリーや情報番組の取材、インタビューなどを行っていたが、やはり自身が好きなフィクションに携わりたいとの思いから、脚本家を目指すことに。
2010年に第22回フジテレビヤングシナリオ大賞にて『さよならロビンソンクルーソー』が大賞を受賞し、同作品のドラマ化によりデビューを果たした。
野木氏にとって脚本家としてのキャリアは、ターニングポイントの連続であったという。
「脚本コンクールで大賞を受賞しても、すぐに仕事の依頼がくるわけではありません。私も受賞後、しばらく仕事のない時期がありました。そんな時、脚本家を探して色々な人に声をかけていたプロデューサーの方から電話があり、まずは連続ドラマの第一話冒頭20分の脚本を執筆。それがそのまま採用され、複数人いた脚本家候補の中から抜擢されたことで月9デビューしました。その時の月9のメイン監督が、映画『図書館戦争』シリーズ監督の佐藤信介さん。さらに、『図書館戦争』が評価され、日曜劇場のドラマ『空飛ぶ広報室』の脚本に選んでいただくなど、すべてのチャンスが私にとって大きなターニングポイントでしたし、ひとつ一つの仕事がつながっています」と野木氏は話す。
実写化もオリジナルも「テーマ設定」が肝
漫画や小説を原作とする実写映像化作品の脚本と、『アンナチュラル』『MIU404』といったオリジナル作品の脚本、どちらも数多く手掛ける野木氏だが、意識として大きな違いはないという。
「もちろん原作がある作品に関しては、原作者や原作ファンをがっかりさせないよう、裏切らないように、という意識はあります。しかし、実写映像化作品もオリジナル作品も、その時その時でドラマとして、映画としてどのように...