2020年4月からスタートした6名のボードメンバーによる分科研究会ですが開始早々、緊急事態宣言が発令に。ディスカッションは全てオンラインで行われることになりました。ここでは店舗を持つ企業のマーケターによる、デジタル活用をテーマにした研究会の成果を紹介します。
[テーマ]
オンライン化で変わる顧客との関係
[チームリーダー]
景井美帆氏
|
[チームメンバー]
鶴田一彦氏
|
林 直孝氏
|
柘野英樹氏
|
高田賢二氏
|
コロナ禍での接客はどう変わった?
景井:私はシャープでコミュニケーションロボット「RoBoHoN」の事業責任者をしています。テクノロジーの活用で効率を改善するだけでなく、新しい体験を提供することを「RoBoHoN」の事業を通じて目指しているので、私のチームではテクノロジーを活用して顧客にとっての新しい価値づくりをテーマに議論を進めようと考えていました。ところが、ディスカッションが始まってすぐに緊急事態宣言が発令され、参加メンバーの皆さんが店舗を持つ業態の企業だったこともあり、コロナ禍で店舗の営業を自粛せざるを得ない状況に。
テクノロジーを活用し、いかにして顧客との関係性を維持できるか、現在進行形の取り組みを共有する場となりました。まず、皆さんからコロナ禍における取り組みを紹介いただけますか。
高田:ユナイテッドアローズでは緊急事態宣言を受け、4月~5月は全店舗をクローズしました。6月からは徐々に店舗もオープンしていますが、なかなかリアル店舗の客足は伸びていない状況です。一方でECの売上は大幅に伸長しました。しかし、今回のコロナ禍では従来のECではなく店頭にいる販売スタッフの力をオンラインでの売上に生かす取り組みが進んだと思います。
例えば5月からはLINEを使ったチャット接客をスタート。さらにライブコマースも始めました。販売員が出演する1時間程度のライブ配信を開始して、配信前の1週間と比べると、おおよそ平均で売上が140%になりました。
林:私たちパルコも高田さんと同じで約2カ月間、全国のパルコ店舗の休業を余儀なくされました。パルコの店舗にいらっしゃる方は、購入するものが決まっているわけではなく...