商品・サービスのコモディティ化が進み、また消費者のニーズが多様化するなか、あらためて製品市場で重要視されてきたのは「ブランド化」だ。しかしいま、その「ブランド」という言葉すら同質化し、そこに創造的な課題解決が必要になっている。
本書『ブランド・インキュベーション戦略』では、ブランドが孵化・育成されること、ブランド・コンセプトなどのブランド価値の源泉やブランド価値が生み出され、価値あるブランドに成長することを「ブランド・インキュベーション(BI)」と定義。その過程も示している。ブランドの育成に関わる主体を3つに分類し、長く愛される商品をつくるためには、それらが相互作用する「価値協創」が重要と説く。
2000年代以降、これまでの「マスマーケティング」や「マネジリアルマーケティング」にあるような一方的な関係づくりから、消費者も価値づくりに関わるような「関係性マーケティング」へと変わっていった。そして現在、インターネットが普及し、情報量が増え、情報発信の手段も多様化するなかで、さらなる「第三の力」が関わっているという。
本書ではこの「第三の力」を...
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