人やモノとの境界線を曖昧に 自然に溶け込む建築から生まれるコミュニケーションの在り方ー藤本壮介の広告観ー
「UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店」や「武蔵野美術大学美術館・図書館」などで知られる、建築家の藤本壮介さん。2025年開催予定の「大阪・関西万博」会場デザインプロデューサーも務める藤本さんが考える“人が集う場”で生まれるコミュニケーションに寄与する建築とは?建築に対する思想や哲学について聞いた。
私の広告観
パーソナルなコミュニケーションに近く、リスナーとの心の距離が近いと言われてきたラジオ。ラジオDJ、ナレーターとして活躍し、多くの場面で“声”を通したコミュニケーション活動を行っている秀島史香氏はラジオ、そして声のコミュニケーションにどのような可能性を見出しているのだろうか。
大学3年生時から25年近く、途切れることなくラジオDJとして活躍し続けている秀島史香氏。ラジオ以外にも、テレビ番組・CMでのナレーションをはじめ、最近では渋谷ヒカリエの館内放送や全国のファミリーマート内で流れるインストア番組「ミックスファム with Your Voice」のDJを務めるなど、日常に溶け込む数々のメディアで、その“声”を生かした多くの発信を行っている。
秀島氏がラジオを好きになったのは小学6年生の頃。家族の仕事の都合でアメリカに引っ越した際、初めて“ひとり部屋”ができたことがきっかけだったという。
「初めての海外での生活。まだ英語を話せず、なかなか友人もできない状況のなか、ひとりで部屋にいると寂しさや不安な気持ちが押し寄せてきました。インターネットもまだ普及しておらず、自室にはテレビもなかったため、一番身近にあるメディアがラジオだったんです」と、秀島氏は当時を振り返る。
流れてくる英語は理解できなかったものの、「人の声の心地よさ」や「誰かとつながっている安心」をラジオから感じることができ、救われたと話す。
その後、帰国し、大学では政治学を専攻。学科の仲間にはメディア志望者も多く、その中で自身の進路を考えた際、自身が救われた経験から“声”により、実際に目には見えなくても、安心できる“場”をつくり出せるラジオに興味を持ち、オーディションを受けるようになっていったのだという。
ラジオというメディアの特徴について秀島氏は、視覚的に物事を伝えることはできないが、そこにもラジオの強みがあるのではないかと話す。
視覚を刺激する映像のパワーはとても大きいが、見えないからこそ、受け手が想像する余白が生まれる。このように、受け手に寄り添ったコミュニケーションが取れることも、ラジオのよさのひとつであると秀島氏は考える。
また、放送中にリアルタイムでリスナーからのフィードバックを受け取り、そのフィードバックにより番組が完成するのも、生放送を行うラジオならではの構造。
「生放送では...