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社会学の視点

Go To 猫島 聖地巡礼に見えるツーリズムの『個人化』

遠藤 薫氏(学習院大学)

自分と向き合うことで外とつながる原動力になる

GoTo トラベルキャンペーンの東京除外が緩和された。“東京者”も自制しながらであれば、旅行を楽しむことが許されそうだ。そうしたら、どこへ行こう?

「旅行」というと、少し前までは有名な景勝地や、歴史的な遺跡を巡る、というのが一般的だった。でも最近は、ちょっと様子が違う。コロナ禍の中で流行ったのが、「ソロキャンプ」。仲間同士での連帯感を楽しむのがキャンプの醍醐味といわれてきたが、ソロキャンプの魅力を広めたお笑い芸人のヒロシは、「ソロキャンプは自分ひとりで完結させる遊びである。ひとり故、不便もすべて背負い込む。逆にいえば自由もすべて享受できる」(書籍『ヒロシのソロキャンプ』より)と語っている。

「観光」という行動は、そもそもは由緒ある宗教施設─いわゆる「聖地」への巡礼を起源とする。代表的な宗教「聖地」のひとつである伏見稲荷大社に行ってみたら、「いなり、こんこん、恋いろは。」というアニメのパネルやグッズが目について、びっくりしたことがある。少し前から、「聖地巡礼」といったら、宗教的な聖地よりも、アニメやドラマの舞台となった場所を訪問するという意味になったようだ。

こういうトレンドをひと括りにすると ...

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