三井住友トラストクラブが発行する世界初のクレジットカード「ダイナースクラブ」は、アメリカで生まれたのち1960年に日本にも登場。今年で60周年を迎えた。
ダイナースクラブ誕生はレストランで起こった小さな事件がきっかけ。1950年、アメリカの実業家マクナマラは、ニューヨークのレストランで食事を終えた際、財布を忘れたことに気がついた。家族に財布を届けてもらい支払いを済ませることはできたが、財布の到着を待つ時間は気まずいものであったという。
そこでマクナマラは、友人の弁護士に相談し、ツケで食事ができるクラブをつくることに。ニューヨークのレストラン7軒と契約し、約100人の知人を会員として集め、メンバーの名前、会員番号、サインが入った会員証を発行した。これが「食事を楽しむ人のためのクラブ=ダイナースクラブ」の起源である。
ダイナースクラブはフランチャイズ制を導入したことにより世界各国に浸透。そして1960年に24番目のフランチャイジーとして日本にも国内初のクレジットカード、ダイナースクラブが登場した。当時の日本は1964年に開催された東京オリンピックを控えており、海外からの旅行客が多く訪れることが予想されていた。そのため当時の主目的は、海外のダイナースクラブ会員に向け、加盟店を整備することであったという。
日本のダイナースクラブは、現在のクレジットカードでは常識となっている「プラスティック製カードの発行」や「銀行口座振替制度」「キャッシングサービス」といった数多くのサービスを世界で初めて考案してきた。そして、60周年を迎えた今年、新たなブランドメッセージ「ここでしか、見つけられないものがある。」を掲げ、60年で培ってきた目利き力を生かし、会員のライフスタイルに寄り添う新たなサービスを展開していく。
視点01 広告
“人生を豊かに彩るサポートをする”一貫した思いを発信
60年の歴史の中でダイナースクラブでは数々のメッセージを込めた広告を打ち出してきた。
1986年「クレジットカードのファーストクラス」、1991年「ゴールドでも、プラチナでも、買えないもの。」、2000年「ようこそ、次のステータスへ。」という3つの広告では、ダイナースクラブ独自のステータスを訴求。続く2010年からはグルメやトラベルのサービスを通じて会員の人生をもっと豊かにしたいという思いを込め、グローバルのブランディングコンセプト「BELONG」をベースに「終わりなき旅を楽しむすべての人へ。BELONG」をメインのコピーとした広告を展開した。
また2017年には、「ダイナースクラブは、日本の食文化を応援します。」という日本独自のキャッチコピーを開発し、現在も...