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商品基点のニュースをつくる プロダクトPR実例

たんぱく質不足を解決したい 商品を先頭にした企業広報活動

江口和延氏(明治)

日本人のたんぱく質摂取量が不足しているといわれるなか、明治ではサスティナビリティ活動の一環として「こころとからだの健康への貢献」を掲げ、部門間・企業間の枠組みを超えたプロジェクトを立ち上げた。その背景について、マーケティング本部の江口氏に話を聞いた。

    明治

  • 企業理念を具体化して商品に落としこむ。
  • 社会課題を解決するための企業間連携も促進。

想いを伝えるだけでは足りない、プロダクトとして昇華させる

明治では本業を通じた社会的責任を果たすため、サステナビリティ推進活動に取り組んでいる。活動を支える大きな柱のうちの一つが「こころとからだの健康に貢献」だ。消費者の健康志向の高まりは続いており、今後も食と健康のニーズは尽きることはないと考えられる。こうした環境のなかで、同社は様々な健康志向商品の開発に取り組んでいる。

そうしたなか、2020年3月に発売されたのが「明治 TANPACT(タンパクト)」シリーズだ。これは「日本人のたんぱく質摂取量の低下」という社会課題を解決すべく開発した商品群。厚生労働省の調査によると、日本人のタンパク質摂取量は1996年をピークに低下。1人1日あたりの摂取量は現在、1950年と同程度になっているという。また「日本人の食事摂取基準(20年版)」で、高齢者のたんぱく質の目標量を見直し、中高年からシニア層の目標量の下限を引き上げ、妊婦の目標量が新たに設定されている。

同社では1980年から、プロテインブランドとして「ザバス」を発売。現在、国内プロテイン市場の約半数のシェアを占め、高い認知度と信頼を確立してきた。「これまで、プロテインは良くも悪くも特別な人のためのものでした」と江口氏。ターゲットはスポーツ選手やボディビルダーなど、“プロテインについての理解が深い”人々。アスリートへの栄養サポートや、意見交換など、顧客からのフィードバックは商品開発やパッケージに反映されてきた。

一方で、普段運動をしない人々による「プロテインは飲みすぎると太ってしまう」「筋肉が付きすぎる」といった誤った認識は根強い。そもそも筋力の向上以前に、健康的な生活のためのたんぱく質が不足しているという...

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