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宣伝会議サミット

メルカリと鹿島アントラーズが見据える未来 テクノロジーを活用し、地域のハブを目指す

小泉文明氏(メルカリ/鹿島アントラーズ・エフ・シー)

宣伝会議は11月10日、11日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて「宣伝会議サミット」を開催しました。今年はコロナウイルスの影響を鑑み、リアルイベントとライブ配信のハイブリッド形式で実施。また今回、初の試みとして2014年から活動を開始し、現在100社を超える企業のマーケターが参加をする「CMO CLUB GLOBAL」のフォーラムも併催しました(「CMO CLUB FORUM 2020」の詳細については2021年2月号に掲載予定)。

今回の「宣伝会議サミット」のテーマは「Move on The Next Stage」。コロナ禍で社会状況や消費者の態度が変化するなか、企業には次のステージである“新しい日常”に適したマーケティング活動や顧客価値の提供が求められています。それでは、企業は具体的にどのようなことに留意して今後の活動指針を決定していけば良いのでしょうか。ここでは、新しい広告・マーケティングの方向性にかかわるヒントが満載のセッションについて、紹介します。

テクノロジー×スポーツでビジネスチャンスを創出する

──メルカリは2019年、鹿島アントラーズ・エフ・シーの経営権を取得しました。両者の連携により、どのような価値が生み出されるのでしょうか。

鹿島アントラーズは、日本有数のサッカークラブチームです。アントラーズは茨城県の鹿嶋市、潮来市、神栖市、行方市、鉾田市をホームタウンとするチームで、1991年に設立されました。2018年には、アジアチャンピオンズリーグで優勝した実力のあるチームです。

ホームスタジアムには、平均すると毎年2万人強のお客さまが来場しますが、スタジアム来場者のうち、女性の比率は40.5%。日本のサッカークラブの中でも高いというデータが出ています。また、比較的早い時期からDXに取り組み、ファン・サポーターとの接点の創出を図ってきたのもアントラーズの特長です。

メルカリがアントラーズを買収した目的のひとつは、ターゲット層の補完関係を完成させること。メルカリのユーザーは、20~30代の女性が多く、アントラーズサポーターは30~50代の男性が中心というように、それぞれのターゲット層に差異があることに注目しました。両社が連携することで、片方の企業だけでは補いきれない顧客層にもアプローチできるようになり、相互的にターゲット層の拡大につなげられると考えました。

もうひとつは、テクノロジーとエンタテインメントを掛け合わせることでビジネス機会の創出することです。海外では、スポーツチームがデジタル技術を活用し、産業として成長していますが、それに比べると日本はまだまだ...

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