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宣伝会議サミット

花王、サントリー出身の2人が考える日本企業のマーケティングの強みとは?

北川廣一氏(サン・アド)、本間 充氏(マーケティングサイエンスラボ)

宣伝会議は11月10日、11日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて「宣伝会議サミット」を開催しました。今年はコロナウイルスの影響を鑑み、リアルイベントとライブ配信のハイブリッド形式で実施。また今回、初の試みとして2014年から活動を開始し、現在100社を超える企業のマーケターが参加をする「CMO CLUB GLOBAL」のフォーラムも併催しました(「CMO CLUB FORUM 2020」の詳細については2021年2月号に掲載予定)。

今回の「宣伝会議サミット」のテーマは「Move on The Next Stage」。コロナ禍で社会状況や消費者の態度が変化するなか、企業には次のステージである“新しい日常”に適したマーケティング活動や顧客価値の提供が求められています。それでは、企業は具体的にどのようなことに留意して今後の活動指針を決定していけば良いのでしょうか。ここでは、新しい広告・マーケティングの方向性にかかわるヒントが満載のセッションについて、紹介します。

消費者の文化にコミットしていた“あの頃”のサントリーの広告

本間:北川さんは前職ではサントリー食品インターナショナルに在籍、私もかつては花王にいた経験があり、ともに日本を代表する企業でマーケティングに従事した経験があります。その経歴を生かして、今回は現在のマーケティングにおける課題や、若いマーケターの方々への思いを存分に伝えられたらと思います。まずは北川さん、サントリーの社風やクリエイティブについてお話をお聞かせいただけますか。

北川:現在、私はサントリーのグループ会社であるサン・アドに所属しています。サントリーに入社して38年、前半の約20年間は、事業部でビールや清涼飲料水の商品開発。2003年からは宣伝やクリエイティブの制作を担当してきました。

38年間のサントリー生活で思うことは、サントリーには、反骨精神とユーモアがあり、文化とそして何より人間らしさを大事にする、そういうDNAを持った会社だということです。お酒で、楽しい時間を。人生を豊かに。カルチャーの提案がなければつまらない。このような考え方を持っていることが、当社と競合他社さんとの違いかと思います。

また、昔のサントリーの60秒CMは、商品がほとんど登場しない映像を56秒間くらい流し、最後の4秒に「サントリーオールド」と一言。これで終わりだったのですよね。CM内で商品の味やスペックについてはほとんど言及していません。

でも、これでお客さまがサントリーのCMに惹かれていたということは...

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