「楽しいから始まる学び」をつくるメディアを運営するQuizKnockのCEOであり、「東大卒クイズ王」としても知られる伊沢拓司氏。WebメディアやYouTubeでのコンテンツ発信を通じ、エンタメの向こう側に目指すものとは。
クイズを通して能動的な学びの機会をつくりたい
TBSのテレビ番組『東大王』をきっかけに数々のクイズ番組で活躍し、その名を知られるようになった伊沢拓司氏。現在は、自身が創業したQuizKnockのCEOとしての活動に主軸を置き、Webメディア「QuizKnock」の統括や同社が運営するYouTubeチャンネルの企画・出演を行っている。加えて、現在もテレビ出演、執筆、全国の小中高校を回る講演活動などを精力的に実施している。
伊沢氏がWebメディア「QuizKnock」を立ち上げたのは大学4年次の夏。当時は、大学院への進学を目指して勉強しながら在宅でできる仕事を探していたという。高校時代に日本テレビ主催のクイズ番組『全国高等学校クイズ選手権』で連覇を果たした経歴を持ち、当時もクイズに親しんでいた伊沢氏は、クイズ問題の作成をするアルバイトを選択。しかし実際に働く中で、問題の作成は頭脳労働であることに加え、正解の根拠を示すための文献の用意といった手間がかかるため、労働内容に比して賃金が低すぎることに疑問を抱いたという。
また同時期に、世の中ではフェイクニュースが問題に。そこで伊沢氏はクイズの持つ「投げかけることで能動的に考える力」に着目し、この社会問題を打破できる可能性があると考えた。ここにビジネスチャンスを感じたこと、自身を含むクイズ作成の仕事に携わる人たちがより良い機会を手にできるようにしたいと思ったことなどから、サービスの立ち上げに至った。
「楽しいから始まる学び」を掲げるQuizKnockが最終的に目指すのは、楽しいから始まる学びの「習慣付け」。エンターテインメント性を追求したコンテンツで楽しんでもらいながら、だんだんと「知ることの楽しさ」に気付いてもらうことで、学びへの積極的な姿勢を育もうとしている。初めから教育を意識するとどうしても学びの要素が強くなってしまうため、あくまでも普通のエンタメと張り合える楽しさを基本にし、その中に学びがあるコンテンツを目指していることが特徴だ。
幅広い仕事をマルチにこなす伊沢氏だが、それらはすべてQuizKnockの活動にプラスになるかどうかという基準で選んでいると話す。
「基本的にはQuizKnockの自分でありたい...