「何屋」と認識されるか? 広告の役割
自宅ほど近くの焼鳥屋は昔、「お通し」のかわりに棚に様々な駄菓子をおき、自由にとって良いというシステムでした。手をつけない人が多かったのですが、まれに、無料で食べ放題をいいことにとんでもない量を取る人も…。
そこで、店主は駄菓子1個につき20円、ほぼ原価分の料金を取ることにしました。価格が上がれば、需要は減るはず。しかし、その店では駄菓子を頼む人が増え、本来の売り物である焼鳥の売上はさらに落ちたのです。無料から有料になったのになぜ駄菓子を食べる人が増えたのでしょう?この問題には私たちの行動・判断のフレーム(枠組み)が関係しています。
無料で取り放題だった駄菓子はあくまでサービス品。そのため、この店は「(駄菓子もおいてある)焼鳥屋」として顧客に認識されていた。しかし、駄菓子に値段をつけたことで、「格安駄菓子居酒屋」として利用する顧客が来店するようになったのです。店主は慌てて駄菓子を置くこと自体を取りやめました。ちなみに、同店はその後、誰が見ても焼鳥屋とわかる店名に変わり、いまも健在です。
このような認識フレームの変化を学術的な手法で確認したものに、イスラエルの保育園での実証実験があります。一部の園で、児童のお迎え...
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