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ブラックホールの撮影成功、発信を続けることで謎を解明する研究の魅力を伝えたい

本間希樹さん

人類史上初の偉業として、話題となったブラックホールの撮影成功。そのプロジェクトメンバーの一人である本間希樹氏は、多くの人に「宇宙がいかに不思議な場所であるか」を伝えるため、書籍を執筆するなど積極的に情報発信をしている。

本間希樹(ほんま・まれき)さん
アメリカ合衆国テキサス州生まれ、神奈川県育ち。平成6年東京大学理学部天文学科卒、平成11年同大学院博士課程修了。同年国立天文台COE研究員。その後、助教、准教授を経て2015年より現在まで、国立天文台教授、水沢VLBI観測所所長を兼務。また、総合研究大学院大学および東京大学大学院の併任教授も務めている。専門は電波天文学で、超長基線電波干渉計(VLBI)を用いて銀河系構造やブラックホールの研究を主に行っている。著書に『巨大ブラックホールの謎』(講談社ブルーバックス)、『国立天文台教授が教える ブラックホールってすごいやつ』(扶桑社)など。2017年よりNHKラジオ『子ども科学電話相談』の回答者も務めている。

謎を解明することで世の中に活力を与えたい

2019年4月、人類史上初となるブラックホールの撮影に成功したという発表が世界中で行われ話題となった。それまで、ブラックホールはCGなどのイメージ画像などでしかなく、存在も“あるだろう”というものだったが、撮影成功によって、存在が証明されたと言える。このブラックホールの撮影を目的とした「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)プロジェクト」は、世界中から約200人の研究者が参加し、準備期間も入れると10年以上活動を続けてきた。その日本チームの代表を務めるのが本間希樹氏だ。

現在は、2つの目のブラックホールの静止画撮影だけではなく、動画撮影もチャレンジしていると本間氏は言う。別々のブラックホールの画像があれば、それぞれを比較した研究も可能となり、謎の解明がさらに進むためだ。

「ブラックホールの撮影成功は私たちの研究のスタート地点にすぎません。ここから、5 ~10年でさらにブラックホールの研究が進むでしょう。ただまだ乗り越えなければならない技術的な課題などは残っています」(本間氏)。

撮影成功が発表されてからは、さまざまなメディアで取り上げられ、研究者や天文好きだけではなく、さまざまな人がブラックホールに関心を持つきっかけになった。本間氏自身も、さまざまな講演依頼や、書籍の執筆などあったというが、そのような情報発信は積極的に行ってきたという。

「テレビでも科学番組などが取り上げるのは予測できましたが、まさか...

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