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経済学の視点

観光で人は何を「消費」しているのか

飯田泰之氏(明治大学)

Go To トラベルに欠けている“見せびらかし”の効果とは?

家計の旅行支出は4月から6月にかけて9割以上減少しています(家計調査)。旅行消費は、観光地周辺での飲食やお土産、美術館や遊園地等への支出など、その波及効果が大きく、ここに政策的なてこ入れが必要だという点には、私も異存がありません。

私は医療・疫学の専門家ではないため、感染防止への影響についてはさておくとしても──現在、実施されているGo To キャンペーンには重要な見落としがあります。それが「旅行において人は何を消費しているか」という視点です。

旅行から消費者は何を得ているのでしょう。美しい海・山に触れることによるリラックス、初めて訪れる街からの刺激、日常を離れることの開放感だけでしょうか。旅行から得られる重要な満足感のひとつは、それが「人に自慢できる」という点にあります。

私が埼玉県の町立小学校の生徒だったのは昭和時代。夏休み明けの9月1日、北海道旅行に行ってきた同級生の誇らしげな顔!海外旅行なんかに行こうものならクラスの大スターでした。大人になっても、人の性は大きくは変わりません。さらに今日ではSNSの普及によって、旅行最中にまで全世界に向けて(?)自慢できてしまうのです。

20世紀初頭のアメリカ...

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