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ワールド・レポート

新しい技術と仕組みが生み出す ONE SHOW2020

6月17日から18日にかけて、世界三大広告賞のひとつである「THE ONE SHOW2020」の各賞が発表された。世界を代表するクリエイターたちによって19部門の審査がオンラインで行われ、171個のゴールド、169個のシルバー、213個のブロンズが授与された。ここでは各部門の最高賞受賞作品を中心に紹介する。

01 クリエイティブユーズオブデータ部門他:Jung von Matt AG+Markenfilm CROSSING+Markenfilm SPACE
気候変動データを音楽に反映

NDR Elbphilharmonie Orchester「For Seasons」


地球温暖化がもたらす環境の変化は、いまや「気候危機」と呼ばれ、深刻な局面を迎えている。年間で最も環境に配慮した作品に贈られる「The One Show Green Pencil」に選ばれた本作品。地球が瀕している現状を、多くの人に実感してもらうための取り組みだ。

ドイツのNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団によって演奏されているのは、アントニオ・ヴィヴァルディが作曲したヴァイオリン協奏曲の作品群である「Four Seasons(四季)」をベースにした「For Seasons」。「四季」がつくられた1725年からこれまでの気候変動をデータ化し、楽譜に反映させたという。

たとえば、約300年前と現在を比較すると、鳥類の15%が絶滅している。元の楽曲から鳥のさえずりを表現したモチーフを分析し、15%減らした譜面に調整された。「春」と「夏」の境界線はぼやけ、不協和音が響き、アンバランスで聴くに堪えない音楽となった「四季」。しかしこの調和の崩壊は、実際に地球で起こっていることなのだ。

楽譜の作成と編曲は、ハンブルクのメディアデザインスタジオ・SPACEと、ベルリンを拠点とするサウンドデザインスタジオ・kling klang klongによるもの。気候データを音楽に変換するためのアルゴリズムを開発し、クリエイティブユーズオブデータ部門のゴールド受賞にもつながった。

本作品は2019年11月に初披露...

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