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小売・サービス業 顧客接点における取り組みの最前線

これからの飲食店に求められる 『エンゲージメント』と『ビジネスモデル』

雨宮 響氏(旭屋出版)

緊急事態宣言解除後も客足がすぐに戻ることはなく、多くの飲食店が経営の危機に瀕している。この時代に“選ばれる” 飲食店になるためには、どのような対策が求められるのだろうか。

月刊『近代食堂』

顧客の不信感を生まないために店舗に求められる対策

緊急事態宣言によって、多くの飲食店が2カ月弱の休業を余儀なくされた。現在も、新型コロナウイルス感染拡大前ほどの客足は戻らず、飲食店には対策が求められている。

では、どのような対策をすればよいのか。飲食店経営の専門誌、月刊『近代食堂』編集長の雨宮響氏は、「まずは日本フードサービス協会が作成したガイドラインに基づき、感染拡大防止の対策を行うことが重要。もちろん店舗の業態や間取りによっては、全ての対策を行うことは難しいという事情もある。完全でなくとも、その店舗でできうる対策は講じることが求められる」と話す。

店舗の事情によって、実施できないこともある。しかし実施できないにしても、きちんと感染防止を意識しているという店側の姿勢を示す必要があると雨宮氏は続ける。

「緊急事態宣言中、人気ラーメン店に行ったのですが、そこは店内に人が密集しないよう、ラーメンができるまで店外に並んでもらうという徹底ぶりでした。しかし、別の人気ラーメン店では、多くの席が空いているにも関わらず、平常時と同じように奥から詰めて座るように誘導されました。席に余裕がありながら自ら密の状態をつくる。たとえそのつもりはなくても、感染拡大防止に関心がないと思われる対応は不信感を抱きますし、リピートもしなくなる。もし、対策が難しい場合は、その理由が来店客に伝わるようにし、“きちんとコロナ対策について考えている店舗”だと認識してもらうことが重要です」(雨宮氏)。

SNS活用の重要性が高まる 顕著になった飲食店の“差”

飲食店はスーパーマーケットやドラッグストアと違って、生活に欠かせない業態ではない。顧客が自発的に行く場所だけに、対策に不安を感じる顧客は自然と遠ざかる側面もある。

ガイドラインに基づいたコロナ対策を実施した上で、今後、選ばれる飲食店に欠かせない要素として、雨宮氏が挙げるのが「顧客エンゲージメント」だ。

「今回、さまざまな飲食店を見ていて顕著だったのが...

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