美容室は全国に24万軒あるとされており、オーバーストアの状態。ウィズコロナ時代で、競争はさらに激しくなり、より"選ばれる"ことが重要に。ここでは、美容室経営の専門誌『月刊NEXT LEADER』の編集長に話を聞いた。
自宅でセルフには限界 コロナ前の水準に回復する店も
緊急事態宣言を受け、4月から都市部を中心に一部休業していた美容室だが、5月の緊急事態宣言延長のタイミングの4月下旬から5月初旬には、ほぼ営業を再開。4月中は大打撃を受けたものの、5月に入ってから客足は急速に戻り、月の売上がコロナ前の水準まで回復した店舗も多かった、と『月刊NEXT LEADER』編集長の渡辺淳司氏は話す。
「セルフカット・カラーなど、自身でできることは限られているので、営業が再開したら、行きつけの美容室へ行こうと決めていた方が多く、その反動によって客足が戻ったと推測されます。実際に『ホットペッパービューティーアカデミー』が行ったアンケートでも、"自宅ケアを今後も続けるか"という質問に対し、92.4%が"続けない"と回答していました」(渡辺氏)。
回復傾向にある美容室業界だが、既存顧客よりも新規顧客に頼っていた都市部の店舗は厳しい状況が続いている。このような状況下では、どの店舗も顧客へ「安心・安全」を提供するための対策は怠ってはならないと渡辺氏は強く主張する。
「そもそも、美容師免許は厚生労働省管轄の国家資格なので、美容学校では『関係法規・制度』科目にて衛生行政の意義、『衛生管理』科目で公衆衛生の意義や感染症対策などを学んでいるのです。現状、美容室では『消毒液設置』『マスク着用』など最低限の施策は見られますが、衛生管理のエキスパートという視点からの対策を講じることで、お客さまとの信頼関係は今以上に築けると思います」(渡辺氏)。
実際に、衛生管理のエキスパートとして、徹底した感染症対策を行っているのが、京都にある「のりこ美容室」。顧客の入店から退店まで徹底した独自の対策で、顧客の安心感を生み出しているという。
対策の有無が店舗選びの基準に コロナ対策は積極的に発信を
ただし...