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有機的な組織、生産的な働き方

出産を機に働き方を意識 自ら考え行動する、マーケター業務の醍醐味

水越 由利子氏(江崎グリコ)

国を挙げて働き方改革が推進されるなかで、起こった新型コロナウイルスの感染拡大。感染拡大を防ぐため一気にテレワークが推進され、一人ひとりが自律的に働き、かつ離れていながらもチームとしてのパフォーマンスを高める努力が求められています。成果を定量化しづらい企画・マーケティングに携わる仕事において、より自発的、有機的な働き方を促す組織体制とはどのようなものでしょうか。また、個人が生産的に働くために、どのような変化が起きているのでしょうか。

企画・マーケティング業務に携わる事業会社や、クリエイティブ、プランニングに携わる広告会社の、現在、そして今後の組織の在り方や個人の働き方について紹介します。

日本初の乳幼児用液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」は、日本の子育てにおける課題や消費者のインサイトに真摯に向き合い、開発された。

フォーマットのない企画の仕事 道筋からつくるからこその醍醐味

江崎グリコのベビー・育児マーケティング部でブランドマネージャーとして働く水越由利子氏。ベビー・育児マーケティング部では、粉ミルク・液体ミルクなどの乳幼児向け製品「アイクレオ」や「1歳からの幼児食」といったブランドを主軸に、製品の企画立案から発売後の販売促進までを一気通貫で行っている。

水越氏は日本初の乳幼児用液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」の開発にも初期から携わり、2019年11月にはその功績が認められ、月刊誌『日経WOMAN』の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」も受賞している。

「アイクレオ赤ちゃんミルク」は、新生児から飲ませることができる液体状のミルク。無菌パックに充填されており常温での保存が可能で、温めることなく赤ちゃんに飲ませることができる。日本では、2016年4月に起きた熊本地震時に、ガスや水などの断絶や物資の不足により、赤ちゃんへの授乳が困難であったことをきっかけに、お湯が不要で賞味期限6カ月という長期保存が可能な乳児用液体ミルクが注目されはじめた。

水越氏自身も2011年の東日本大震災の際、お子さんを抱えての震災のつらさや悩みを体験していたため、国産の乳児用液体ミルクの開発へは強い思いを持っていた。乳児用液体ミルクの発売には、厚生労働省による製造承認と、乳児用食品と明記するために消費者庁の許可が必要であったため、商品発売に至るまで厚生労働省まで何度も足を運ぶといった苦労もあったという。

「アイクレオ赤ちゃんミルク」は、災害時における便利さと「普段からも使える」という観点から、防災安全協会が主催する「災害食大賞Ⓒ2019」の新製品・セット部門にて金賞を受賞。また、女性の社会進出、働き方改革が進む中で、育児の負担軽減に役立ち、女性の社会進出に貢献する商品としても話題となり、キッズデザイン協議会が主催する、第13回キッズデザイン賞「子どもたちを産み育てやすいデザイン部門」においても賞を受賞した。

当時の記憶を振り返りつつ、企画・マーケティング職の仕事について水越氏は...

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