米国の新型コロナウイルス感染もピークを迎えたと判断され、5月最終月曜の祝日「メモリアルデー」に合わせ段階的に規制緩和が進んでいった。しかし以前の生活に戻れる日はまだ遠く、市民は「コロナと共生する方法」を模索しているのが現状だ。そこで今、注目を集めているのがバーチャル・リアリティ(VR)と拡張現実(AR)である。
VR・ARを使ったマーケティングは、技術の進歩や低コストの実現などにより、数年前から取り入れる企業が増えている。今年3月からステイホームが日常になると、外出できない消費者や自宅で働く人々におけるVR・ARのニーズが各方面で高まっている。
『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』 Googleレンズとの特集号を刊行
2017年10月にローンチされたGoogleレンズはスマートフォン、タブレット端末用のアプリだ。Googleレンズに対応する印刷物をスマホのカメラで撮影すると、文字・映像・翻訳など被写体に関連した追加情報を引き出すことができる。
『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』は3月15日号で“The Music Issue ー 25 Songs That Matter Now(今、重要な意味を持つ25の歌)”のサブタイトルがつけられた音楽特集号を刊行。Googleレンズとのタイアップで、広告だけでなく記事中の写真までがAR仕立てとなっており、Googleレンズのカメラを誌面に向けると音楽・映像・文字などの多彩な情報が溢れ出し、読者を驚かせた。
(1)The Music Issue ー 25 Songs That Matter Now
写真1枚から生まれる「体験」 映像や音楽コンテンツからの情報収集
巻頭の見開き2ページには、ボルボUSAの広告が掲載された。内容は、車体底辺に4つのタイヤが組み込まれているだけで、どのような車が写っているのか判断できない写真1枚が掲載されているというもの。Googleレンズでその広告を撮影するとエンジン、ドア、車体フレームなどのパーツが次々と組み立てられるCG映像が流れ、最後に完成したSUVのボディをタップすると、車のスペックなどの詳細が書かれたページへ誘導される仕組みになっていた。
ジャズで有名なニューオリンズでは...