店頭に頼らないコミュニケーションが必要 顧客とつながり続けるための3社の挑戦(1)
各地で経済活動が再開されながらも、依然として企業・消費者双方に大きな影響を及ぼし続けている新型コロナウイルス禍。顧客とリアルの場でつながることが難しくなった時代のコミュニケーションはどうあるべきか。その方向性をパルコ 林直孝氏が考える。
顧客エンゲージメントでコロナ禍を乗り切る!
ファンベースの考え方を重視する「CHEESE STAND」では、店舗休業期間に、オンライン食事会を開催。参加者一人ひとりとオンラインで密なコミュニケーションを取ることで、改めてファンと向き合い、コミュニケーションを見直す機会になったという。
「街に出来たてのチーズを」をコンセプトに2012年6月渋谷区にオープンした「CHEESE STAND(チーズスタンド)」。フレッシュチーズ(熟成させないチーズ)の魅力を伝えることをミッションに掲げ、主にフレッシュチーズの製造・販売をしている。同店は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、4月8日~5月18日の間、休業に。期間中も顧客とのコミュニケーションを欠かさないため、TwitterやInstagramをはじめとしたSNS公式アカウントでの発信強化や、ECでの商品ラインナップの拡充などに取り組んでいる。
以前より同店では、SNSだけではなく、「CHEESE STAND Media」というオウンドメディアで、フレッシュチーズの使ったレシピなど紹介するなど、オンラインでの情報発信を積極的に行っていた。
コロナ禍の影響でコミュニケーション手段がオンラインのみとなった今、新しい取り組みとして、オンライン会議ツールZoomを活用した「オンライン食事会」を開催。EC上で、チーズ食べ比べセットを購入することで参加でき、チーズの生産者(工房)の話を聞きながら、チーズの食べ比べを自宅で楽しめるというもの。5月18日時点で、計3回開催しており、「毎回60食限定で販売しているが、即日完売する人気」だと...