店頭に頼らないコミュニケーションが必要 顧客とつながり続けるための3社の挑戦(1)
各地で経済活動が再開されながらも、依然として企業・消費者双方に大きな影響を及ぼし続けている新型コロナウイルス禍。顧客とリアルの場でつながることが難しくなった時代のコミュニケーションはどうあるべきか。その方向性をパルコ 林直孝氏が考える。
新型コロナウイルス感染症の影響で、さまざまな変化が求められる中、IKEUCHI ORGANICではオンライン接客を開始。各社EC市場が活性化するなか、ECではカバーできない“買い物のサポート”を実現している。
京都市に2014年にオープンした「IKEUCHI ORGANIC KYOTO STORE」。店長の益田晴子氏はタオルソムリエの資格を持つ。
今治タオルの製造、販売を手掛けるIKEUCHI ORGANICは4月25日、休業中の店舗スタッフがオンラインで接客を行う「Zoomストア」を急遽オープンした。オンライン会議ツ―ルZoom上で、スタッフと買い物客をつなぎ、コミュニケーションを取りながら、ニーズに合ったタオルを提案していくというサービスだ。
スタッフが自身を写すカメラと商品を写すカメラ2台を活用し、商品を見せながら接客するため、買い物客は実際に店舗で選んでいるような体験ができる。試験的な取り組みであるため、日々顧客のニーズに合わせて、別ツールでの対応など拡充しているという。
同社では、東京、京都、福岡、今治の4つの直営店舗を運営していたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、4月12日から全店舗を休業に(5月20日時点で福岡店は再開)。その休業期間に、顧客とコミュニケーションをとるため、オンライン接客を開始したという。
「タオルという商品の特性上、買いたい商品が決まっている関心が高い層は限られています。そのため、タオル選びに際にしては、多くの方が『どのようなものがいいのかわからない』と迷われます。加えてタオルは質感や見た目が重要なため、ECでの画像だけでもわかりにくい商品です。そこで...