店頭に頼らないコミュニケーションが必要 顧客とつながり続けるための3社の挑戦(1)
各地で経済活動が再開されながらも、依然として企業・消費者双方に大きな影響を及ぼし続けている新型コロナウイルス禍。顧客とリアルの場でつながることが難しくなった時代のコミュニケーションはどうあるべきか。その方向性をパルコ 林直孝氏が考える。
顧客エンゲージメントでコロナ禍を乗り切る!
自由に旅行を楽しむことが難しくなった今、JTBではどのように顧客に対するコミュニケーションを行っているのか。同社で顧客戦略を統括する岡野一英氏に話を聞いた。
世界各国で外出や渡航制限が敷かれる現在。コロナ禍が旅行・宿泊関連の企業へ与えた打撃の大きさは計り知れない。旅行会社最大手であるJTBも例外ではない。同社で顧客戦略を統括する岡野一英氏は、その影響をこう語る。
「多発するキャンセルへの対応はもちろん、当社の強みであった、店頭での提案力を発揮することも難しくなってしまった。平時であればリカバリーのための施策を打てますが、需要喚起ができない現在、そうしたアプローチも行いづらくなっています」。
JTB社内においても、外出自粛が要請されるコロナ禍での顧客へのコミュニケーションには様々な意見があり、その発信の仕方には議論を重ねたという。そして現在は、細心の注意を払いながら、大きく5つのコミュニケーション施策を走らせているという。
店舗休業中のコミュニケーションには、Web会員の「JTBトラベルメンバー」とリアル・Web共通の「JTBステージ」の2つの顧客基盤を活用した。
ひとつ目は...