自由に旅行を楽しむことが難しくなった今、JTBではどのように顧客に対するコミュニケーションを行っているのか。同社で顧客戦略を統括する岡野一英氏に話を聞いた。
様々な意見があった旅行情報の発信
世界各国で外出や渡航制限が敷かれる現在。コロナ禍が旅行・宿泊関連の企業へ与えた打撃の大きさは計り知れない。旅行会社最大手であるJTBも例外ではない。同社で顧客戦略を統括する岡野一英氏は、その影響をこう語る。
「多発するキャンセルへの対応はもちろん、当社の強みであった、店頭での提案力を発揮することも難しくなってしまった。平時であればリカバリーのための施策を打てますが、需要喚起ができない現在、そうしたアプローチも行いづらくなっています」。
JTB社内においても、外出自粛が要請されるコロナ禍での顧客へのコミュニケーションには様々な意見があり、その発信の仕方には議論を重ねたという。そして現在は、細心の注意を払いながら、大きく5つのコミュニケーション施策を走らせているという。
会員基盤を活用した5つのコミュニケーション施策
店舗休業中のコミュニケーションには、Web会員の「JTBトラベルメンバー」とリアル・Web共通の「JTBステージ」の2つの顧客基盤を活用した。
ひとつ目は...
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