広告マーケティングの専門メディア

           

2030年 人口動態の変化を見据えた新市場開拓の戦略

「新個食宣言」を掲げるマルハニチロ CMで話題「WILDish」開発の狙い

マルハニチロ

単身者増加による「個食」ニーズの高まりを受け、昨年から冷凍食品の新ブランド「WILDish」を展開しているマルハニチロ。今春からはテレビCMも放映し、順調に販売を拡大している同ブランドの開発の狙いについて同社の三浦武氏に聞いた。

2020年3月に新テレビCMを全国で放送開始したWILDish。

「個」を起点に開発された新ブランド「WILDish」

総合食品会社として、水産・冷凍食品・缶詰等幅広い商品を取り扱うマルハニチロ。同社が2019年8月から展開している「WILDish(ワイルディッシュ)」は、単身世帯の増加によって拡大する「個食」市場のニーズを捉えた冷凍食品の新ブランドだ。

「ワイルドにカキコメ!」をコンセプトに開発された「WILDish」最大の特長は袋にある。袋ごとレンジ調理が可能、さらにマチ付きのため自立し、袋をお皿がわりにして食べることができる仕様になっている。炒飯やピラフなどのご飯類だけでなく、今年3月には焼きそばや汁なし担々麺などの麺類もラインナップに加わり、8種類の商品を展開している(2020年3月末時点)。

開発の背景にあるのは、人口減少、核家族化と単身世帯の増加、食の多様化、志向の分散といった市場環境の変化。マルハニチロの三浦武氏はこう語る。

「従来、当社では家族をターゲットに商品開発を行ってきました。しかし、環境変化によってターゲットの多様化・分散化が進んだ現在。ターゲットごとにニーズを汲んだ商品開発を行う必要があります」。

多様化するターゲットそれぞれへの開発対応を推し進めるべく、マルハニチロが取り組んでいる試みのひとつが「新個食宣言」というものだ。

世帯人数が減少していく中で、食に限らず「個」に対応する様々なモノやサービスが市場に投入され始めている。冷凍食品市場に目を向けると...

あと62%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

2030年 人口動態の変化を見据えた新市場開拓の戦略 の記事一覧

多様化する食へのニーズに対応 ハンバーガーの新しい選択肢
国内280万人の成長市場 在留外国人向けビジネスの可能性とは
「新個食宣言」を掲げるマルハニチロ CMで話題「WILDish」開発の狙い(この記事です)
クックパッドが新規事業を展開 単身向け賃貸でも理想のキッチン
米中にDXで後れをとった日本 マーケティングの未来を拓くには?
今こそ求められる「妄想力」 人口減少時代のマーケターに必要な資質とは
外国人とともに働く時代のヒント 文化を相対化する6次元モデル
家族の在り方はどうなる? 単身世帯の増加がもたらすライフスタイル変化
地方部で深刻化する人口減少 思い切った発想転換が魅力を生み出す
労働力人口の減少を補うAIとロボット 協働スキルを養う自己投資が必要に
人口学の理解が有益な議論を生む 将来推計に見る日本の人口の将来像
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する