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マーケターのキャリアにおける ブランドとデジタルの接点

3つのコンセプトで解説する、これから求められるマーケター像

有田貴美江氏(日本ロレアル)

消費者が情報に触れ、さらにモノを買う場がデジタル上にシフトする時代、ブランドはその変化にどう対応すればよいのか。日本ロレアルにおける新規デジタル事業の取り組みを軸に「ブランド」のデジタライゼーションの実践を考える。

半年にわたり続いた本連載も今回で最終回。最終回のテーマは「これから必要とされるマーケター像と、そこに向けたマーケターのキャリア形成について」です。このテーマに私がどこまでお応えできるのか甚だ不安はありますが、連載でお伝えしてきた私のキャリアやその中で得た経験により、少しでも読者の皆様にとってキャリア形成のヒントとなるよう最後の原稿に取り組みます。

最初に「これから必要とされるマーケター像」について。当然、人事面接的スキルセットを並べても仕方なく、また他のマーケティング本で書かれているような「顧客志向」「好奇心」といった基本的概念を取り上げるのでは私らしさがありません。よって、3つのコンセプトで私の考える理想のマーケター像を語っていきたいと思います。

①左脳と右脳のバランス

近年のマーケター採用にあたり、私はこのコンセプトを重視しています。左脳と右脳、それぞれ意味するポイントはマーケターの業務内容やポジションによって異なりますが、例えば、"ロジカルシンキングとラテラルシンキング"、"売上とブランディング"、"数値データ分析とクリエィティブ"など一見相反しながらも、デジタルトランスフォーメーション下のブランドビジネスでは両領域が必要と考えています。

しかし現実を見てみると、デジタル出身者は数値データやロジック偏重でブランド背景やカスタマー心理に理解が及ばない傾向があったり、一方のブランド出身者はブランディングに重きを置き、データ分析・デジタルツール使用・KPI数値化に弱点があったりします。加えて双方が各々の領域を守るべく、頑なに自己領域を最高とする姿勢が見受けられます。それらを見るにつけ、私は常々「もったいないなあ」と感じています。自身が経験していない領域にチャレンジすればよいのです。

実際、私もマーケティング・コミュニケーション出身ながら現在ECも統括しています。2つの領域の経験やスキルを得ることにより、ネクストステップでできることは格段に広がります。遠回りに感じるかもしれませんが、必要かつ重要なステップです。今と別の経験を得た時に見える景色は全く異なります。そして、その両方の経験を得た人材こそ、会社にさらに貢献できると信じています。

②機能としてのマーケティング 思想としてのマーケティング

通常マーケターは部署として存在するファンクションの中で、専門スキルをもって戦略策定・実施の業務に従事しています。同部署内では近いバックグラウンドやスキルを持つ者同士で相互理解が容易です。一方、隣の部署、例えばリテール部署はどうでしょうか。マーケティング部署で当然とされている戦略が同様に扱われているでしょうか。

私の経験上、ひとつのブランドながら...

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