ADFESTやDubai Lynx、そしてカンヌライオンズの延期など、新型コロナウイルスの感染拡大は世界の広告界にも様々な影響を及ぼしている。前号に続き、今年も数多くの名作が放映されたスーパーボウルCMから編集部が注目した一部の作品を振り返る。
01 Woven, New York
今はスーパーボウル、洗濯は後回し
Tide(Procter & Gamble)「Laundry Later」
プロクター&ギャンブルの衣料用洗剤ブランド「Tide」は、ジェルボールタイプの製品「Tide POWER PODS」のCMを放映。「Laundry Later」と題するシリーズCMとして展開された本作は、「Now stains can wait.(いまや汚れは待てるようになった)」をタグラインに計5つの作品が制作された。
そのうち、メインの45秒CMが放映されたのは第1クォーター。仲間うちでスーパーボウルの中継番組を観戦していたところ、熱中した女性(エミリー・ハンプシャー)が勢いあまって男性(チャーリー・レイ)の服を食べ物で汚してしまうところから始まる。
すぐに洗濯しようと狼狽する男性に、女性は「今はスーパーボウルの最中だから、洗濯は後で」と話す。納得しきれない男性は、"後で"はいったいいつやってくるのか、それは試合が終わった後か、CMが終わった後か、あるいはハーフタイムショーの後なのか、「後で」が一生やってこないまま自分は人生を終えてしまうのではないか──と、様々な妄想を始めてしまう。
CMは、女性が男性を妄想から引き戻して「Tide POWER PODS」に目をやりながら、再び「洗濯は後で」と語りかけ安心させるシーンで終える …
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