新型コロナウイルス対策の一環として、多くの企業でリモートワークが導入されたり、ウェビナーが活用されたり、新しいビジネスのスタイルが急激に浸透しています。今回は、そういった新しい動きを推進しようとする企業を支援したり、自分たち自身の働き方を変えようとしている企業の方々に、オンラインで座談会を実施しました(本文中・敬称略)。


新型コロナ対策で生まれた産業界の新しい動きとは?
──新型コロナウイルス感染症の広がりのなかで、今それぞれの会社のビジネスにどのような影響が出ているのかを教えてください。
井上:私が3年前に立ち上げた早起きコミュニティ「朝渋」は、本の著者を招いたトークイベントを月に4回渋谷のイベント会場にて開催してきました。しかし、新型コロナウイルス騒動で、イベントの開催が難しくなり、そこで代案として2月19日よりYouTubeライブで配信をすることにしました。
リアルイベントの参加者は毎回50~100名ほどですが、ライブ配信では同時リアルタイム視聴が300人弱、その後の合計視聴回数は3,000回ほどになりました。なかには初めて「朝渋」を知ったという声や、ライブ配信でも朝活が楽しめたといった声もいただき、結果として新しい挑戦につながったと思っています。
島袋:私が所属するヤプリは、スマホアプリ開発を支援するサービスを提供しています。新型コロナウイルスが流行する前は、サービスを広く知ってもらうために展示会などに出展してきました。しかし、感染が拡大するにつれ、エントリーしていた大型展示会も中止に。このままでは、新たな顧客との出会いの機会を失うことにつながりかねない。そんな危機感を抱いて、始めたのがオンラインセミナーです。
急ごしらえで配信の仕組みをつくり、3月3日から6日までの開催。そのため2週間ほどは、そこで配信するコンテンツをチームで新たにゼロからつくっていました。私たちのビジネスにとって大きなターニングポイントになったと感じています。
中川:キャスターのメイン事業はリモートワークのサポートなのですが、今回お問い合わせが非常に多かったのは教育系の事業会社の方からでした。セミナーや講座を開催する企業にとってはまさに死活問題で、相当なダメージを受ける可能性があるためです。お問い合わせの内容としては、リモートワーク用のツール選定に始まり、クローズド開催と動画配信のどちらにすべきかといった相談、はては配信機器のセッティング方法に至るまで、あらゆる領域で相談をいただいている状況です …