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マーケターのキャリアにおける ブランドとデジタルの接点

デジタル時代のブランドビジネス 変化したことと変わらない本質

有田貴美江氏(日本ロレアル)

消費者が情報に触れ、さらにモノを買う場がデジタル上にシフトする時代、ブランドはその変化にどう対応すればよいのか。日本ロレアルにおける新規デジタル事業の取り組みを軸に「ブランド」のデジタライゼーションの実践を考える。

デジタルが浸透した時代 ブランドビジネスは変わったか?

5回目となる今号では、「そもそもデジタルとブランドビジネスは対峙するものなのか?」というアンチテーゼから始めてみたいと思います。

前回、印刷会社に始まり、ラグジュアリーブランド、ファッションと私のその時々のキャリアにおいて、あたかもデジタルが導入されることで、ブランドビジネスが侵食、凌駕されていくかの如く印象を受けた方も多かったかもしれません。

こうした状況から、ともすると「デジタル」と「ブランドビジネス」は相反する別々の存在と捉えられがちです。しかしながら、私はこの点において疑問を抱いています。そもそも、デジタルの導入前後でブランドビジネスそのものが変わったのでしょうか。

ブランドを知る(認知)⇒ブランドに興味を持つ(訴求)⇒ブランドを調べる(調査)⇒ブランド製品を購入する(行動)⇒ブランドを広める(推奨)といったカスタマージャーニーが全く別の形に変化したわけではなく、この基本的な流れはデジタル導入よりずっと前(完全にアナログであった時代)から何も変わってはいません。

一方、インターネットやスマートフォンの普及により、前述のカスタマージャーニーにおけるタッチポイントやチャネルはデジタルにシフトしていきました。つまり、「ブランドビジネス」の根幹は、そのまま変わらずに、顧客がブランドと交流するために使うコミュニケーション・プラットフォームや販売チャネルが変化しているだけなのです。

大切なのはシナリオ設計 デジタル施策、KPIのポイント

次に「効率が重視されるデジタル」という前提についても、ひとつアンチテーゼを提唱してみたいと思います(今回はアンチテーゼばかりの記事ですみません…) …

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