「AIDMA」、「AISAS」など、消費者の態度変容モデルは複数存在する。さらに、SNSの浸透など情報環境が変わったことで、新たなモデルが提唱され始めている。そのひとつが「ULSSAS(ウルサス)」だ。発案者のひとりであるホットリンクCMOの飯髙悠太氏にそのポイントを聞いた。
一方的な発信ではなく大切なのはn対nの発想
スマートフォン、SNSの普及によって、私たちを取り巻く情報環境は大きく変化した。一人ひとりが情報の発信者となり、それにより社会に流通する情報量は爆発的に増加している。
情報が溢れる中では、"誰が"言っている情報であるかが、情報発信における重要なファクターになっていると、ホットリンクの飯髙悠太氏は話す。企業が発するメッセージは消費者に届きにくい時代でも、友人や家族、憧れの有名人など、信頼している人を介した情報は届くのだ。そこで口コミなどを含めた、ユーザーがつくりだすコンテンツであるUGC(User Generated Contents)の購買に与える影響力に多くの企業が注目するようになっている。
こうした情報環境における態度変容を表したモデルが「ULSSAS」だ。「ULSSAS」とは「U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)」「L:Like」「S:Search1(SNS検索)」「S:Search2(Google/Yahoo! 検索)」「A:Action(購買)」「S:Spread(拡散)」の頭文字をとったもので、その起点が長らくマーケティング界で使われてきた「A:Attention」ではなく、「U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)」であることにひとつの特徴がある。
「SNS上で人の投稿を見ることで、影響を受けたユーザーが購買行動を起こしている。その傾向は海外においては顕著にデータで示されており、日本もこれからより盛んになるでしょう」と飯髙氏。
購入者がその商品についての口コミを投稿し、友人などが共感して「いいね!」や「リツイート」を行う …