発信者の世界観を壊さない インバウンド施策での海外の口コミ活用
2014年頃より、インバウンド向けのプロモーション施策で売上を伸ばしてきたパルコ。この数年で同社のインバウンド施策はどのような変遷をたどってきたのか。施策の中でインフルエンサーマーケティングにも携わってきたパルコ CRM推進部業務課長の山口豪氏に話を聞いた。
人が「メディア」になる時代 インフルエンサーマーケティング
「AIDMA」、「AISAS」など、消費者の態度変容モデルは複数存在する。さらに、SNSの浸透など情報環境が変わったことで、新たなモデルが提唱され始めている。そのひとつが「ULSSAS(ウルサス)」だ。発案者のひとりであるホットリンクCMOの飯髙悠太氏にそのポイントを聞いた。
スマートフォン、SNSの普及によって、私たちを取り巻く情報環境は大きく変化した。一人ひとりが情報の発信者となり、それにより社会に流通する情報量は爆発的に増加している。
情報が溢れる中では、"誰が"言っている情報であるかが、情報発信における重要なファクターになっていると、ホットリンクの飯髙悠太氏は話す。企業が発するメッセージは消費者に届きにくい時代でも、友人や家族、憧れの有名人など、信頼している人を介した情報は届くのだ。そこで口コミなどを含めた、ユーザーがつくりだすコンテンツであるUGC(User Generated Contents)の購買に与える影響力に多くの企業が注目するようになっている。
こうした情報環境における態度変容を表したモデルが「ULSSAS」だ。「ULSSAS」とは「U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)」「L:Like」「S:Search1(SNS検索)」「S:Search2(Google/Yahoo! 検索)」「A:Action(購買)」「S:Spread(拡散)」の頭文字をとったもので、その起点が長らくマーケティング界で使われてきた「A:Attention」ではなく、「U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)」であることにひとつの特徴がある。
「SNS上で人の投稿を見ることで、影響を受けたユーザーが購買行動を起こしている。その傾向は海外においては顕著にデータで示されており、日本もこれからより盛んになるでしょう」と飯髙氏。
購入者がその商品についての口コミを投稿し、友人などが共感して「いいね!」や「リツイート」を行う …